日本語では「勝負○○」という言い方をよくします。例えば、大事な試合の前に食べる食事を「勝負めし」、ここぞという特別な日に着る服のことを「勝負服」と言いますね。英語にも同様の表現があるのでしょうか?今回はそんな「勝負○○」をどう英語で表現できるか、「勝負めし」「勝負服」の2つを例に取って考えてみましょう。
「勝負めし」の英語表現
大事な試合に際しての食事は、英語圏ではゲン担ぎで食べるというよりもコンディションを整えるための食事と考えます。日本語の「勝負めし」とはちょっと意味合いが変わって来ますが、どのような表現があるかご紹介しましょう。
1) Pre-game meal
“pre”は「~の前」という意味で、“pre-game meal”は「試合の前の食事」という意味になります。「勝負めし」は試合の前に食べる食事を表すことが多いので、この英語表現を充てることができそうです。ただし、英語の“pre-game meal”は、栄養面などを考えて本番で最大限の力を発揮するための食事を表すものです。ゲン担ぎのような意味合いはありません。また、受験生がテスト前に食べる「勝負めし」と言う場合は“game”の代わりに“exam”を入れて“pre-exam meal”としましょう。単語を入れ替えればいろいろと応用の効く表現です。
2) Meal for the game
この表現も“pre-game meal”と同じような意味があります。直訳すれば「試合のための食事」ということで、やはり体力や集中力を高めるために食べる食事ということになります。将棋の対局で棋士が食べる食事を「勝負めし」と言いますが、この表現がぴったり来そうです。“pre-game meal”だと「対局の前に食べる食事」となってしまい、対局の合間に食べる棋士の食事には合わなくなります。“meal for the game”はいつ食べるかといった時間的なことは問われないので、使える場面が多いです。
3) Lucky food
英語圏では日本のようなゲン担ぎの「勝負めし」という概念はないのですが、幸運をもたらすと信じられている食べ物や縁起が良いと考えられている食べ物というのはあります。そういった場合には“lucky food”という言葉を使うことができます。ただ、これだけでは「勝負めし」というニュアンスを伝えるのが難しいので、もう少し説明を加える必要がありそうです。日本独自の概念や物を英語で表すときは、なかなかぴったりの英語が見つからないことが多いです。日本的な物であるということを踏まえて、説明を付け加えるようにしておきましょう。
〜会話例〜
A: What are you ordering?
(何を注文するの?)
B: I’m having curry with pork cutlet. You know, the word “katsu” in Japanese also means “win”. Katsu Curry is like my lucky food, and I always eat it before an important game.
(カツカレーを食べるよ。ほら、日本語の「カツ」は「勝つ」っていう意味もあるだろ。カツカレーは僕の勝負めしみたいなもので、大事な試合の前にはいつも食べるんだ)
A: I think curry can be a good pre-game meal.
(カレーは試合前の食事に良さそうだよね)
B: Yeah! Besides, it’s my favorite food!
(うん。それに、僕の好物でもある!)
「勝負服」の英語表現
特別な日に身に付ける服については「勝負服」という言葉があります。「勝負めし」と同じような考え方ができますが、少し使う表現が違ってきます。ここでは3つの表現をご紹介してみましょう。
1) Best clothes
大事な時に身に付けるのは自分が持っている服の中でも一番のものを着るのではないでしょうか?そこで、“my best clothes”や“my best dress”のように表現することで「勝負服」のニュアンスが伝えられるのではないでしょうか。さらにその後に“for a date(デートのための)”や“for a special day(特別な日のための)”などのようにどんな場面のためのものなのかを付け加えるとよりわかりやすくなります。
2) Lucky clothes
幸運を呼ぶというニュアンスを出したければこの表現が使えます。どこかお守り的なイメージがあるので、「この服を身に付けていると上手く行く」というような場合に使えます。服よりもスカーフやネックレスなど小物の方がしっくりくる気もします。やはり、これだけでは意味が曖昧になりそうなので、もう少し説明を付け加えたい表現でもあります。
3) Power suit
ビジネスシーンで「勝負服」と言う時には“power suit”という表現があります。強さや権威、自信などを表現するような特別なスーツのことを表します。スーツ以外にも、“power jacket”や“power tie”などといった表現もあります。言葉通り身に付けている人の「パワー」を示す服ということです。デートなどビジネス以外の場面では使えないので注意しましょう。
〜会話例〜
A: You look great in that suit! Do you have an important meeting or something?
(そのスーツすごく素敵ね!何か大事な会議とかがあるの?)
B: Yeah. This is my power suit for important meetings. I have a meeting with my prospective client today, and it could be a big contract.
(ええ。これ私の勝負服なの。今日、見込み客とのミーティングがあって、大きな契約になるかもしれないのよ)
A: You’re really pumped. I also like that blue scarf.
(気合入っているわね。そのブルーのスカーフもいいわね)
B: It’s my lucky item. When I’m wearing it, things always go well.
(これは私のラッキーアイテムよ。これつけていると、色んな事が上手く行くのよ)
この記事を書いた人
Yoshiko
こんにちは。英語講師・学習コンサルタントのYoshikoです。
洋楽をきっかけに英語学習を始め、日本の大学で英語を学び、留学経験なしに英語を習得しました。
英会話スクールで10年以上教えた後に、現在は大学講座、法人研修での指導、オンラインレッスンや学習コンサルティングを行っています。トータルで20年以上の講師経験と日本で英語を習得した経験をもとに学習サポートを行っています。
英語を教えるだけでなく、英語の学び方・トレーニングの方法もお伝えしています。皆さんが英語を使って世界を広げ新しい可能性を広げていけるように、学習のお手伝いができればと思います。
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