“excited”と “exciting”のように、“-ed”で終わる形と“-ing”で終わる形の両方を持つ形容詞が英語にはたくさんあります。良く似た意味ですが使い方が違うので注意が必要です。うっかり間違った使い方をする人も多いので、どのように使い分けるのか確認しておきましょう。
過去分詞vs現在分詞
“excited”のように語尾が“-ed”で終わるものは過去分詞、“exciting”のように“-ing”で終わるものは現在分詞と呼ばれ、どちらも形容詞として使うことができます。過去分詞には「~される」という受動的な意味、現在分詞には「~する」という能動的な意味があります。これらをどのように使い分けるかを理解するには、元になっている“excite”という動詞の意味を理解することがポイントとなります。
“excite”という動詞には「人を興奮させる、ワクワクさせる」という他動詞的な意味があります。例えば、“The performance of the rock band excited the audience.(そのロックバンドの演奏は観客を興奮させた)”などのように使います。この文章を、過去分詞“excited”と現在分詞 “exciting”を使って書き直してみるとどうなるでしょうか?
①The audience was excited.
(観客は興奮した)
②The performance of the rock band was exciting.
(そのロックバンドの演奏は刺激的だった)
1つ目の文章では、観客は演奏を聞いて「興奮させられた」ので、受動的な意味を持つ過去分詞“-ed”が使われます。一方、2つ目の文章では、演奏は観客を「興奮させる」わけですから、能動的な意味を持つ現在分詞“-ing”が使われます。
これと同じような理屈が、“interest(興味を持たせる)”、“bore(退屈させる)”、“surprise(驚かせる)”など、色んな動詞に適用されます。これらの単語はどれも、過去分詞“-ed”と、現在分詞“-ing”の両方の形の形容詞を持っていて、尚且つ「人に~させる」という他動詞的な意味があります。
〜Interest〜
- He is interested in music and art.
(彼は音楽と芸術に興味がある) - The book was very interesting.
(その本はとても面白かった)
〜Bore〜
- I got bored in the middle of the movie.
(私は映画の途中で退屈した) - The movie was very boring.
(その映画はとても退屈だった)
〜Surprise〜
- I was surprised to hear the news.
(その知らせを聞いて私は驚いた) - The news was so surprising.
(そのニュースはとても驚くべきものだった)
“-ed”は感情を、“-ing”は性質を表す
先程の例文を読んで気付かれたでしょうか?主語が人の場合は“-ed”に、物の場合は“-ing”になっていますね。過去分詞の主語は人に、現在分詞の主語は物になることが多いです。“-ed”の形の形容詞は「興味がある」「退屈している」「驚いている」など、心の状態や感情を表すので、自然と主語が人になります。人が何かに心を動かされた時に用いる表現なのです。一方、“-ing”の形の形容詞は「人を~にさせるような」という意味で、主語が持つ性質を表す形容詞となります。本や映画、ニュースなど、物が主語になり人の心に働きかける時は“-ing”の形になります。また、人が主語になって別の誰かの心に働きかけるような場合もありますので、“He is interesting.(彼は興味深い人間だ)”のような文章も可能です。
“I’m bored”と“I’m boring”は大違い
過去分詞、現在分詞どちらの形でも人を主語にすることが可能なのですが、意味が全く違ったものになるので注意が必要です。“bored”と“boring”を例に取ってみましょう。“I’m bored”と言えば、主語の感情を表すので、「私は退屈している」ということになります。“I’m boring”と言えば、主語の性質を表すので「私は人を退屈させるようなつまらない人だ」ということになります。どちらも文法的には正しい文章ですが伝わるメッセージが全く異なります。“You look bored(あなた退屈そうだね)”と言おうとして、うっかり“You look boring”などと言ってしまったら、「あなたはつまらない人のように見える」という意味になってしまいます!誤解を招きかねないので、使い方の違いをしっかり覚えておきましょう。
〜会話例〜
A: How was your weekend?
(週末はどうだった?)
B: It was alright. I went to the USJ with my kids.
(まあまあよ。子供達とUSJに行ってきたわ)
A: But that sounds exciting! Didn’t you enjoy it?
(面白そうじゃない!楽しくなかったの?)
B: The kids did. They were so excited about all the rides and attractions. The problem was that we had to wait for a very long time. I was exhausted at the end of the day.
(子供たちは楽しんでたわよ。色んな乗り物やアトラクションに興奮してたわ。問題は長時間待たなきゃいけなかったこと。一日の終わりには私はすっかり疲れちゃってたわ)
A: Didn’t the kids get bored while waiting?
(待ってる間、子供たちは退屈しなかった?)
B: They were playing Switch games.
(スイッチで遊んでたわ)
A: I see. So, you were bored.
(なるほどね。で、あなたの方が退屈だったわけね)
B: Yeah. Waiting for an hour for a ride is boring and tiring!
(ええ。乗り物に乗るのに1時間も待つのは、退屈だし疲れるわよ)
まとめ
“-ed”と“-ing”の形を持つ形容詞の使い方がわかったでしょうか?心が動かされ感情を表す“-ed”と、他者に働きかけ性質を表す“-ing”という理屈がわかれば、後は使い慣れることです。実際に使ってみて、自分のことや身の回りの出来事などを話してみて下さいね。段々と感覚がつかめてくると思います。
この記事を書いた人
Yoshiko
こんにちは。英語講師・学習コンサルタントのYoshikoです。
洋楽をきっかけに英語学習を始め、日本の大学で英語を学び、留学経験なしに英語を習得しました。
英会話スクールで10年以上教えた後に、現在は大学講座、法人研修での指導、オンラインレッスンや学習コンサルティングを行っています。トータルで20年以上の講師経験と日本で英語を習得した経験をもとに学習サポートを行っています。
英語を教えるだけでなく、英語の学び方・トレーニングの方法もお伝えしています。皆さんが英語を使って世界を広げ新しい可能性を広げていけるように、学習のお手伝いができればと思います。
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この法則は、、オレにとっては大変難しくって、七年間、ずっと覚えられないんです。
他動詞ではなく、自動詞だと、-edと-ingの意味合いが逆転するような記憶があるのですが、合っていますか?
それだと、動詞の性質に左右されるので、瞬時の意味の把握が難しくなるのですが、オレが言っている事、合ってますか?