「推し」という言葉は日常会話で今やすっかり定着していますね。「あなたの推しは誰?」「推しのライブに行ってきた」などと、会話の中で気軽に使われる表現となっています。英語で全く同じニュアンスを伝えることは難しいかもしれませんが、誰かのファンになったり応援したりする気持ちは世界共通です。どのように「推し」を英語で表現できるか考えてみましょう。
1) Fan
シンプルに “fan” という言葉を使ってあなたが誰かを応援していることを伝えることができます。「私は〇〇推しです」という意味で “I’m a fan of ~.” と言うことができます。ただ、これだけだと「推し」の持つ熱量が伝わりにくいので、 “a big fan” や “a huge fan” と言葉を付け加えることで「大ファンである」ということが伝えられます。 さらに、“a die-hard fan” と言う言葉もあり、これは「筋金入りのファン」という意味です。「ダイハード」という映画がありましたが、“die hard” には「しぶとい」「頑固に抵抗する」という意味があります。どこまでも追いかける位に熱烈なファンであるという意味です。こんな風に色々と形容詞を付け加えることで “fan” と言う単語をアレンジして、相手を推す気持ちの強さを表すことができます。
- I’ve been a big fan of Tom Cruise for a long time. He still looks so good in his sixties.
(私は長年トム・クルーズ の大ファンです。彼は60代になっても今も格好いい) - She is a die-hard Tigers fan. She was overjoyed when the Tigers finally won the championship.
(彼女はタイガースの熱狂的なファンです。タイガースが遂に優勝した時は大喜びでした)
2) Favorite
「好きな」という意味の “favorite” という単語がありますよね。これも「推し」を表すことができます。形容詞としても名詞としても使うことが可能です。形容詞として使うなら後ろに “singer” などの名詞をつけて “favorite singer” や “favorite actor” のように言い、名詞ならば“She’s my favorite.” のように言います。日本語の「推し」が持つスラング的なカジュアルな表現ではなく、「お気に入り」や「大好きな」という意味でいろんな場面で気軽に使える表現と言えます。
- My favorite singer is Ed Sheeran.
(私の好きなシンガーはエド・シーランです) - Michael Jackson is my all time favorite.
(マイケル・ジャクソンがずっと私のお気に入りです)
3) Fave
“favorite” を省略した “fave” という表現もあり、こちらはより砕けた表現となります。日本語の「推し」という言葉はスラング表現なので、そのニュアンスを出すには “fave” と言う方がより近いかもしれません。使い方は“favorite” と同様に、形容詞、名詞の両方の使い方があります。
- What is your fave Christmas song?
(お気に入りのクリスマスソングは何?) - Wham’s “Last Christmas” has always been my fave.
(ワムのラストクリスマスがずっと私のお気に入り)
4) Stan
“stan” は“stalker(ストーカー)” と “fan(ファン)” をかけ合わせて作られた造語です。ストーカーのような否定的な意味はなく、熱狂的なファンのことを表して使われています。動詞として使うこともあります。どちらの場合も応援している「あなた」が主語になりますので、間違って推しのアーティストを主語にしないように気をつけてください。名詞としては「推し」の同義語というより「ファン」の同義語です。動詞であれば「推す」なので、日本語で「私は〇〇を推す」というのと同じように使えます。以下の例文で使い方を確認しておきましょう。
- I have been a Harry Potter stan since I was a child.
(子供の頃からずっとハリーポッターの大ファンだ) - I stan Lady Gaga. She’s so unique and talented.
(私はレディガガを推しています。彼女はすごく個性的で才能がある)
5) Bias
“bias” はもともと「偏見」という意味の単語ですが、特にKポップのファンの間で、グループの中で自分が推しているメンバーのことを指して使われるようになりました。また、これに関連して “biaswrecker” という表現もあります。 “wrecer” とは「壊す人」という意味です。「私の推しは〇〇!」と思っていたのに、別の気になる人が出てきてしまった!そんな「推しを壊す人、打ち破る人」を “biaswrecker”といいます。
- Who is your bias in BTS?
(BTSで誰が推し?) - Jimin has always been my bias.
(私の推しはずっとジミンです)
この記事を書いた人
Yoshiko
こんにちは。英語講師・学習コンサルタントのYoshikoです。
洋楽をきっかけに英語学習を始め、日本の大学で英語を学び、留学経験なしに英語を習得しました。
英会話スクールで10年以上教えた後に、現在は大学講座、法人研修での指導、オンラインレッスンや学習コンサルティングを行っています。トータルで20年以上の講師経験と日本で英語を習得した経験をもとに学習サポートを行っています。
英語を教えるだけでなく、英語の学び方・トレーニングの方法もお伝えしています。皆さんが英語を使って世界を広げ新しい可能性を広げていけるように、学習のお手伝いができればと思います。
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