“buy”、“get”、“pick up”はどれも「買う」を意味する表現ですが、ネイティブは日常会話でこれらを使い分けています。そこで今回は、この3つの表現のニュアンスの違いと使い分けについて解説していきます。
1)Buy
“buy”は、今回の3つの表現の中で最もフォーマルでダイレクトな響きがあります。値段に関係なく、商品やサービスを購入するためにお金を支払うニュアンスが含まれます。そのため、友人に“I bought you some coffee.(コーヒーを買ってきたよ)”と言うと、「あなたのために自分のお金を出してコーヒーを買った」意味合いになるため、このような状況では“buy”の使用を避けたほうがいいかもしれません。
- I bought a hat.
(帽子を買いました) - I’m thinking about buying a new car.
(新しい車を買おうと思っています) - I bought a house last month.
(先月、新しい家を購入しました)
2)Get
“get”も「買う」を意味しますが、より幅広い意味で何かを手に入れることを意味します。誰かから何かをもらって手に入れる意味で使う事もできれば、宝くじなどがあたって手に入れる、または実際に自分のお金を払って何かを手に入れる意味で使うことができます。
“buy”と比べてカジュアルな響きがあり、どちらかと言うとそこまで高くないものを購入する時に使われます。そのため、「家を買いました」を“I got a house.”と表現してしまうと若干違和感があります。
また、友人に「コーヒーを買ってきたよ」と言うようなシチュエーションで“I got you some coffee.”と表現するのはとても自然です。この場合は、自分のお金を払ってあなたのためにコーヒーを買ったといったニュアンスは含まれません。
- I got a sandwich from the convenience store.
(コンビニでサンドイッチを買いました) - I need to get a new laptop soon.
(そろそろ新しいパソコンを買わないといけない) - Are you going to get a new iPhone?
(新しいiPhoneを買うの?)
3)Pick up
“pick up”は元々、何かを拾ったり、手に取ったりすることを意味することから、お店で何かを買う意味で使われます。特に、安いものや安く手に入れられるものに対して使われます。そのため、車や家を購入する時には使いません。
ちなみに、単純に「本を買った」と表現する時に“I picked up a book.”と言ってしまうと、本を買ったのか、それとも拾ったのかが分からないため、“I picked up an English book at the book store today.(今日、本屋で英語の本を買いました)”のように購入したことが相手に伝わるように具体的に説明する必要があります。
また、“pick up”には「何かをついでに買う」意味合いも含まれています。例えば、スーパーに行こうとしている友達に「卵を買ってきてもらえる?」とお願いする時は、“Can you pick me up some eggs?”、「(スターバックスに寄って)コーヒーを買ってきたよ」と友達に伝える場合は“I picked you up some coffee.”と表現し、とてもカジュアルでフレンドリーな響きがあります。
- I picked up some new shoes at mall today.
(今日ショッピングモールで新しい靴を買いました) - I picked up “万能英会話フレーズ101” at the book store.
(本屋で「万能英会話フレーズ101」を買いました) - You can totally tell he’s winging it. He is struggling.
(彼が即興でやってるのは明らかだよね。大分苦しんでいるよ) - Can you pick me up some eggs?
(卵を買ってきてもらえる?) - Can you pick me up an iced coffee, please?
(アイスコーヒーを買ってきてもらえる?) - I’m gonna swing by the convenience store. Do you want me to pick up anything?
(コンビニに寄るけど、何か買ってきて欲しいものはある?)
今日のレッスンでは、誰かにコーヒーを買ってきた時に“I bought you some coffee.”と言うと、「私はあなたのためにお金を払ってコーヒーを買ってあげた」ニュアンスがあるとお伝えしましたが、実際、日常会話ではそこまで気にする必要はありません。
“buy”は「お金を払って何かを買う」イメージが強いため、「コーヒーを買ってきたよ」を英語で表現する時は、ネイティブの感覚では“pick up”または“get”を使う方が自然に感じます。しかし、だからと言って“I bought you some coffee.”と言うのがNGというわけではありませんし、相手から恩着せがましいと思われることもありません。
また今回はご紹介していませんが、“purchase”も何かを買うことを意味し、“buy”と意味と使い方は同じですが、よりフォーマルで固い響きがあります。この単語は、ビジネスの場やフォーマルな文章・Emailを送る時に使う印象があります。そのため、日常会話では“buy”、“get”、“pick up”の3つを使うようにするといいでしょう。
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