誰かの話を聞いて「共感する」と言いたい時、映画の主人公に「共感する」と言いたい時など、「共感する」は英語でどのように言えるでしょうか?使える英語表現はいくつかありますが、それぞれに伝わるニュアンスが微妙に違っています。今回は、そんな「共感する」を意味する英語表現をご紹介してみましょう。あなたの共感の気持ちがちゃんと相手に伝わるように使い分けてみて下さい。
1) Sympathize
「共感する」を英語にしようとして、多くの人がまず最初に思い浮かべるのが “sympathize” という単語ではないでしょうか。皆さん“synchronize”という単語をご存じでしょうか?日本語でも「シンクロする」と言ったりしますよね。単語の頭についている“syn”、“sym”には、「同時に」「共に」という意味があります。“sympathize”の名詞形は“sympathy”ですが、“-pathy”には「苦痛」「感情」という意味があります。つまり、“sympathize”は相手が感じている苦痛や感情を「共に感じる」ことを表します。通常、“sympathize”は悲しみや苦しみなどの辛い感情を共有する時に用いられます。「共感する」よりも「同情する」という意味で用いられることも多いです。
- I can’t sympathize with him. I know it was a difficult situation but I think he could have done it in a different way.
(彼には共感できない。難しい状況だったとは思うけど、もっと違うやり方があったと思うよ) - After hearing her story, he sincerely sympathized with the girl.
(彼女の話を聞いて、彼は心からその少女に同情をした)
2) Empathize
“sympathize”と良く似た単語で“empathize”という単語があります。こちらも単語の接頭辞に注目してみましょう。“em”は“en”と同じ意味があり、例えば“enter”という単語があるように「中に」という意味があります。相手の感情の中に入っていくようなイメージです。相手が感じている気持ちを理解しようとすること、相手の身になって感じるような「共感」を表します。日本語で「共感力」という言葉がありますが、それはまさにこの“empathize”する力を表します。英語には“put yourself in someone’s shoes”という表現があります。「自分を相手の靴に入れる」つまり「相手の立場になって考える」という意味です。“empathize” とはそうやって相手の立場に身を置いて他者を理解しようとすること、そうして相手の気持ちに共感することを表します。
- If you want to be a good doctor, you need to be able to empathize with patients.
(良い医者になりたければ、患者に共感できることが必要だ) - Reading novels can help people enhance their ability to empathize with others.
(小説を読むことで他者に共感する力を高めることができる)
3) Relate
“relate”という単語は“related to”で「関係している」という意味で覚えている方が多いかと思います。もちろんそういった意味でも使われるのですが、実は「共感する」という意味でも使うことができます。注意したいのが“relateed”と過去分詞の形にはせずに、原型の“relate”の形で使うことです。“relate”には「関連付ける」「結びつける」という意味があります。相手の体験や感情を、自分自身の体験と結び付けて共感する時に、この表現を使うことができます。“empathize”が時に想像力を使って相手を理解しようとするのに対して、“relate”は自分も体験したことがあるからこそ自然と共感するようなイメージです。
- I can relate to that. I’ve had the same experience.
(共感できるわ。私も同じ経験をしているから) - I couldn’t relate to the main character of the movie. She was pretty, smart, and rich. Why was she always complaining?
(その映画の主人公には共感できなかったわ。かわいくて、頭が良くて、お金持ち。どうしていつも文句ばかり言ってたのかしら)
4) I know how you feel
“sympathize”や“empathize”といった単語はちょっと硬い印象があり、直接面と向かって相手に「共感する」と言いたい時に“I can empathize with you”というのはちょっとぎこちない感じがします。誰かと話していて、相手に「わかるわ」「共感するわ」と伝えたい時には、「あなたの気持ちわかるわ」と“I know how you feel”という表現を代わりに使ってみて下さい。“know”の代わりに“understand”を使っても良いですし、また、“I know exactly how you feel”というように“exactly”を入れることもできます。そうすると、「あなたのその気持ちすごく良くわかる」というように、共感の気持ちを強調することができます。
〜会話例〜
A: You know, tomorrow is my daughter’s first piano recital. I’m not feeling at ease today.
(明日は娘の初めてのピアノ発表会なのよ。今日はなんだか落ち着かないわ)
B: I can relate to that. I felt the same way the first time my daughter performed at a recital.
(わかるわそれ。うちの娘が初めて発表会で演奏した時も同じ気持ちだったもの)
A: But she doesn’t seem worried about it at all. That makes me even more worried.
(でも、娘はちっとも気にしてないみたいなのよね。それでさらに私は心配になるんだけど)
B: I know exactly how you feel! My daughter was just like that. I was the only one nervous about it!
(すごくわかる!うちの娘もそうだったもの。心配してたの私だけだったわ!)
この記事を書いた人
Yoshiko
こんにちは。英語講師・学習コンサルタントのYoshikoです。
洋楽をきっかけに英語学習を始め、日本の大学で英語を学び、留学経験なしに英語を習得しました。
英会話スクールで10年以上教えた後に、現在は大学講座、法人研修での指導、オンラインレッスンや学習コンサルティングを行っています。トータルで20年以上の講師経験と日本で英語を習得した経験をもとに学習サポートを行っています。
英語を教えるだけでなく、英語の学び方・トレーニングの方法もお伝えしています。皆さんが英語を使って世界を広げ新しい可能性を広げていけるように、学習のお手伝いができればと思います。
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