日本語でも英語でも色を使った表現がたくさんあります。例えば、「真っ赤になって怒る」「赤の他人」など、日本語で「赤」を使って表現するものを、英語でも“red”を使って表現できるでしょうか?日本語の「赤」が持つイメージと英語の“red”が持つイメージは果たして同じなのでしょうか?今回は色の中でも特に「赤」にスポットをあてて、日本語と英語の表現を比較してみようと思います。
“red”が持つイメージ
色が持つイメージは国や文化によって若干の違いがありますが、赤が持つイメージは日本語、英語ともに大きく違いはないようです。「愛や情熱、怒り、興奮」といったイメージがあり、エネルギッシュでアクティブな印象が英語でもあります。赤信号のイメージから「危険」というイメージがあるのも共通しています。また、支出か収入を超えることを「赤字」と言いますが、英語でも“in the red”で表すことができます。一方、日本では「紅白」がめでたい色と考えられていますが、これは日本独自の感覚で、英語で“red and white”と言っても特別におめでたいイメージはありません。
「赤面」を表す英語表現いろいろ
恥ずかしくて顔を赤くする時など、顔色を表して「赤」が使われますが、英語ではより多様な表現で「赤面」を表すことができます。文字通り“turn red”と言うこともできますが、“red”を動詞化した“redden”という単語を使うこともできますし、“blush”や“flush”という単語も「顔を赤くする」という意味でよく用いられます。“blush”と“flush”は良く似た表現ですが、“blush”は恥ずかしさから顔を赤くするときによく用いられ、 “flush”はより幅広いシチュエーションで使用が可能です。例えばお酒を飲んで顔が赤くなった時や、運動した後に顔が火照って赤くなった時などにも用いられ、“flush”の方が多様な場面で使うことができます。
- His face reddened when he gave her the present.
(彼女にプレゼントを渡す時、彼は顔を赤らめた) - She realized her mistake and blushed with embarrassment.
(彼女は自分の間違いに気付いて、恥ずかしさから顔を赤くした) - After drinking a glass of wine, his face flushed.
(ワインを一杯飲んだ後、彼の顔は紅潮した)
怒りを表す“red”
日本語の「赤」と同様に、英語の“red”も「怒り」を表すことがあります。「怒りで顔を赤くする」「真っ赤になって怒る」というときに、先程も紹介した“turn red”や“flush”などを使って表すこともできますが、その他にも英語では“see red”という表現が怒りを表すのに用いられます。直訳すると「赤を見る」ということになりますが、「激怒する」という意味で使われる表現です。闘牛の牛が赤い布を見て興奮することから由来しているのだそう。
- He turned red with anger.
(彼は怒りで顔を赤くした) - He saw red when he learned his son had cheated on the test.
(息子がテストでズルをしたと知って彼は激怒した)
「赤」が“red”にならない場合
日本語では「赤」を使うのに英語では“red”を使わないというケースもあります。例えば、「赤の他人」や「真っ赤な嘘」のように、「全くの、完全な」という意味で日本語では「赤」を使うことがありますが、英語ではこういう“red”の使い方はしません。「全くの」という意味の“total”や“complete”などを使って、“total stranger”や“complete lie”などと言うことができます。また、「真っ赤な噓」に似た表現に“bold-faced lie”というものもあります。“bold-faced”には「厚かましい、ずうずうしい」という意味があり、「ずうずうしい大胆な嘘」ということから、日本語の「真っ赤な嘘」に通じるものがあります。また、日本語には「紅一点」という表現がありますが、女性を「紅」で表すのも日本語特有のもの。英語では“the only woman in the group”といった具合に、「グループで唯一の女性」ということをそのまま伝えることになります。
〜会話例〜
A: I had a very embarrassing moment the other day.
(このあいだ、すごく恥ずかしいことがあったのよ)
B: What happened?
(どうしたの?)
A: I was walking down the street and saw my friend, so I waved and said hi. But he was a complete stranger!
(道を歩いていて友達を見かけたので、手を振って声をかけたのよ。そうしたら、全くの赤の他人だったの!)
B: That’s embarrassing.
(それは恥ずかしいわね)
A: Yeah. I was so embarrassed I think I was blushing. I just said sorry and ran away!
(ええ、本当に恥ずかしくて、私、赤面していたと思うわ。ごめんなさいと言ってその場を走り去ったわよ!)
この記事を書いた人
Yoshiko
こんにちは。英語講師・学習コンサルタントのYoshikoです。
洋楽をきっかけに英語学習を始め、日本の大学で英語を学び、留学経験なしに英語を習得しました。
英会話スクールで10年以上教えた後に、現在は大学講座、法人研修での指導、オンラインレッスンや学習コンサルティングを行っています。トータルで20年以上の講師経験と日本で英語を習得した経験をもとに学習サポートを行っています。
英語を教えるだけでなく、英語の学び方・トレーニングの方法もお伝えしています。皆さんが英語を使って世界を広げ新しい可能性を広げていけるように、学習のお手伝いができればと思います。
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