“run”という単語は「走る」以外にも多様な意味で使える便利な単語です。“run”が持つ基本のイメージは「一方向に継続して動く」というもの。そこから「走る」という意味にもなるのですが、その他にも様々な場面で使うことが可能です。今回はそんな“run”の様々な用法をいくつかご紹介してみます。皆さんはいくつ知っていますか?
①流れる
一定方向に真っすぐ何かが動いていく様を表す“run”は、人が走る様だけでなく、川、涙、さらには鼻水(!)まで、様々なものが「流れる」時に使用することができます。さらに前置詞や副詞と合わせて使用すれば多様な使い方が可能です。例えば、「川が流れる」と言う時に、“run through the town”と言えば「町を通り抜けて流れる」様子を、“run into the ocean”と言えば、「海の中へと流れ込んでいく」様子を伝えることが出来ます。ちなみに「鼻水が流れる」と言う時には、主語を「鼻」にして“My nose is running.”という言い方と、「私」を主語にして“I have a runny nose.”という表現の両方が可能です。川の水から鼻水まで、あらゆる液体が流れる時に“run”を使うことができます。
- The river runs into the Pacific Ocean.
(その川は太平洋に流れている) - Tears ran down her cheeks.
(彼女の頬を涙が流れた) - Don’t keep the water running!
(水を流しっぱなしにしないで!)
②機械などが動く
機械などが主語になり“run”を使えば、「動く」「作動する」という意味になります。“run”の後に目的語を置き「作動させる」と他動詞として用いることも可能です。コンピューターのプログラムなどが「動作する」という意味でも使えます。
- That motor runs on electricity.
(そのモーターは電力で動く) - I left the engine running and stopped at the store.
(エンジンをかけたままにしてお店に立ち寄った) - That program doesn’t run on my computer.
(そのプログラムは私のコンピューターで動作しない)
③人・物事・時間などが進む
色々な物事の進み具合を話す時にも“run”を使うことができます。会話でも非常に良く耳にする“I’m running late.”という表現をご存じの方も多いのではないでしょうか?これは決して走るのが遅いといことではなく、時間の流れ・進み具合を表して「私は遅れている」と言っているのです。一緒に使う副詞を変えることで、様々な使い方ができます。
- The program is running on time.
(プログラムは時間通りに進行している) - Everything is running smoothly.
(全て順調に進んでいる) - We’re running late. We’d better hurry up!
(遅れているよ。急がなくちゃ!)
④家系に伝わる・遺伝する
血液が流れる時にも使える“run”ですが、「血筋を引いている」という意味でも使うことが可能です。何かが「親譲りだ」と言う時、それが「血液の中に流れている」、「家系に流れている」というように“run”を使って表現するのです。
- Her music talent runs in her blood.
(彼女の音楽の才能は血筋だね) - His father is also short-tempered. Maybe it runs in the family.
(彼のお父さんも気が短い。きっとそういう家系だね)
⑤立候補する
“run”は選挙などに「立候補する」という意味でも使うことができます。アメリカの大統領選の時期などによく耳するのではないでしょうか?ちなみに“run”は「レースに参加する」という意味もあるので、選挙に限らず何かの競争に加わる時にも使うことができます。
- Biden ran against Trump for the presidency.
(バイデンはトランプの対立候補として大統領選に出馬した) - He ran in the Honolulu marathon last year.
(彼は去年ホノルルマラソンに出場した)
⑥経営する・運営する
後ろに目的語を伴い他動詞として使うと、「経営する」「運営する」という意味で使うことが可能です。“run”が持つ基本のイメージは「一方向に継続して動く」というものでしたが、ビジネスなどを「営む」というのもそのイメージに一致していますね。また、会社の経営だけでなく、業務などの管理や運営にも用いることができます。
- He runs his own restaurant in Tokyo.
(彼は東京で自分のレストランを経営している) - She ran the meeting very well.
(彼女はミーティングをとても上手く運営した)
まとめ
色んな意味で使える“run”ですが、単語の持つイメージが何となくつかめたでしょうか?全て紹介しきれない位に様々な意味で使える“run”という単語。前置詞と共に句動詞として用いればさらに多様な使い方ができます。例えば、“run into”で「誰かにばったり出くわす」という意味になったりします。“run”は誰もが知っている単語なので、普段目にしてもあまりし\意識していないかもしれませんが、今回ご紹介した意味以外にも色々な使い方がありますので、是非次にどこかで目にした時は「こんな使い方するんだな」とちょっと意識してみて下さいね。そして皆さんも是非活用してみて下さい!
この記事を書いた人
Yoshiko
こんにちは。英語講師・学習コンサルタントのYoshikoです。
洋楽をきっかけに英語学習を始め、日本の大学で英語を学び、留学経験なしに英語を習得しました。
英会話スクールで10年以上教えた後に、現在は大学講座、法人研修での指導、オンラインレッスンや学習コンサルティングを行っています。トータルで20年以上の講師経験と日本で英語を習得した経験をもとに学習サポートを行っています。
英語を教えるだけでなく、英語の学び方・トレーニングの方法もお伝えしています。皆さんが英語を使って世界を広げ新しい可能性を広げていけるように、学習のお手伝いができればと思います。
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