皆さんご存じの“work”という単語は、「働く」という意味以外にも様々な使い方ができる非常に便利な単語です。こういった基礎的な単語は使い方の幅が広く、色んな場面で大活躍してくれます。難しい単語をたくさん使うよりも、基本動詞を柔軟に使いこなす方がより自然な英語になることも多いです。今回はそんな動詞の1つ“work”の用法をご紹介します。
①作業する、働く、勉強する
“work”の基本イメージは「作業する」ということです。会社であれば「働く」、学校では「勉強する」というように、状況に応じて当てはまる日本語が変わってきますが、英語の“work”は仕事に限らず幅広い作業に対応します。「働く」という意味に捕らわれず、仕事以外にも様々な場面で使うことが可能なのです。“work hard”と言えば「一生懸命に働く」という意味もありますが、仕事以外の様々な場面で「努力をする」といった意味で使うことができます。“work”の守備範囲はとても広いのです。
- I’m working hard to get the report done by the deadline.
(レポートを締め切りまでに書きあげようと頑張っている) - If you want to pass the test, you have to work harder.
(もしテストに合格したいなら、君はもっと勉強しないといけない) - The students worked together in groups for the presentation.
(生徒たちはプレゼンテーションのためにグループで共同作業した)
②作動する、動く
“work”するのは人ばかりではありません。人以外の物を主語として“work”を使用することもあるのです。その場合の“work”は「作動する」「動く」という意味になります。コンピューターが動く、機械が動く、車輪が回転する、頭が働くなど、様々な「動くもの」に対して使うことができます。また、薬などが「効く」という意味でも使うことが可能です。薬が“work”するということは、薬の効果が出るということ。人以外の物が主語となって“work”を使うときは、その物が果たすべき役割を果たしている、ちゃんと働いているということです。
- This computer works very quickly.
(このコンピューターは動作がとても速い) - My mind is not working well today.
(今日は頭が上手く働かない) - The medicine worked and the pain is gone.
(薬が効いて、痛みが消えた)
③上手くいく
何かが「上手くいく」という意味でも“work”は使えます。例えば、“The plan will work.”と言えば「計画は上手くいくだろう」ということです。スケジュール調整をしていて、“It’ll work.”と言えば「その日程で都合が合う」という意味です。“well”などの副詞と共に使うこともありますが、“work”単独でも「上手く行く」という意味で、様々なシーンで使うことができます。ネイティブとの会話でもかなり良く耳にしますので、是非こういった使い方もマスターしておきましょう。
- I’m sure it’ll work well!
(絶対に上手くいくと思うよ!) - Let’s meet at 1:00. Does that work for you?
(1時に会おう。それで大丈夫?) - I tried the new diet method, but it didn’t work.
(新しいダイエット法を試してみたけど、上手くいかなかった)
④“work on~”で「取り組む」
“work”は後ろに前置詞をつけて句動詞として使用することも多いです。中でもよく耳にするのが“work on”という表現。これで「~に取り組む」という意味になります。“work on the problem(問題に取り組む)”といったように後ろに名詞を持ってくることも、“work on creating a manual(マニュアルの作成に取り組む)”のように動名詞を置くことも可能です。“work on the problem”と言うとき、具体的にどんな取り組みをしているかはっきりはわかりません。とにかくその問題に対して何らかの「働きかけをしている」ということを表します。ある意味で少し曖昧な表現でもあるのですが、この曖昧さが好都合のこともあります。例えば、“We are working on the schedule.”と言うと、「スケジュールに取り組んでいる」ということになります。新しくスケジュールを作成しているのかもしれないし、作り直しているのかもしれない、調整中ということかもしれません。その場の状況に応じて色んな解釈が可能です。ただ、会話においてそういった具体性が求められないこと、とにかく何か作業中ということが伝われば十分ということがあると思います。そんな時に便利に使える表現なのです。
A: Something seems wrong with this photocopier. It’s not working properly.
(このコピー機はどこかおかしいみたいだ。ちゃんと動いてないよ)
B: Maybe you should replace the toner.
(トナーを交換したらいいんじゃない)
A: I did, but it didn’t work.
(そうしたけど、でも駄目だったんだよ)
B: Or maybe, the paper is jammed.
(それか紙が詰まっているんじゃないかしら)
A: I’ve already checked it, but it doesn’t seem so. I really don’t know how to fix it. I’ve been working on it for almost half an hour! What a waste of time!
(確認してみたけど、そうではなさそうだよ。どうやって直したらいいか本当にわからないよ。30分近くもやっているんだ!本当に時間の無駄だよ!)
B: If you’re in a rush, why don’t you use the copier in the marketing department? And meanwhile, I’ll see what I can do about it.
(急いでるんなら、マーケティング部のコピー機を使わせてもらったらどう?その間に、私が何とかできないか見てみるわ)
A: Thanks! I’ll do that!
(ありがとう!そうするよ)
この記事を書いた人
Yoshiko
こんにちは。英語講師・学習コンサルタントのYoshikoです。
洋楽をきっかけに英語学習を始め、日本の大学で英語を学び、留学経験なしに英語を習得しました。
英会話スクールで10年以上教えた後に、現在は大学講座、法人研修での指導、オンラインレッスンや学習コンサルティングを行っています。トータルで20年以上の講師経験と日本で英語を習得した経験をもとに学習サポートを行っています。
英語を教えるだけでなく、英語の学び方・トレーニングの方法もお伝えしています。皆さんが英語を使って世界を広げ新しい可能性を広げていけるように、学習のお手伝いができればと思います。
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