直前になって予定をキャンセルする「ドタキャン」や約束の場所に現れない「すっぽかし」。どちらもあまり良い印象を持たれないので避けたい行動ですが、これを英語でどう表現するかご紹介していきましょう。
「土壇場で」はat the last minute
「ドタキャン」は「土壇場でキャンセル」を略したものです。「土壇場で」というのを英語ではat the last minuteと表現することができますので、“He canceled at the last minute. (彼は土壇場でキャンセルした)”と言うことができます。ただしこの表現では、直前にキャンセルしたという事実を伝えているだけです。「ドタキャンされた」という嫌な気持ちを込めるには、ここにon meという表現を付け加えます。そうすると、ドタキャンした相手が悪い、嫌なことをされた、という非難のニュアンスが入ってきます。
- He canceled on me at the last minute.
(私は彼にドタキャンされた)
「ドタキャン」を表すback out
約束を取り消すことを表す英語表現は他にもあります。例えば、back out という表現。文字通り「後ずさりする」という意味の他に、「約束を破る、取り消す」という意味もあります。「やっぱりやめた」と後ろに引いてしまうところを想像してみると「取り消す」という意味がすぐに連想できますね。cancelよりも口語的な表現になりますので、誰と話しているのか、どんな場面で使うのかに気を付けて下さい。
- She backed out on me at the last minute.
(彼女にドタキャンされた)
すっぽかされた時は何て言う?
ドタキャンより悪いのが、何の連絡もなしに約束の場所に現れないことです。そんな風に「すっぽかされた」時にはどう表現できるでしょうか?
待ち合わせ場所でずっと相手を待っている場面を想像してみて下さい。多くの場合、どこかのお店の前や、駅のどこかで立って待っていませんか?実は、「すっぽかす」を表すにはstandという単語を使うのです。“He stood me up.”と言えば、「彼は私との約束をすっぽかした」という意味になります。standには「立つ」という自動詞の用法だけでなく、「人を立たせる」という他動詞の用法もあるのです!ご存じでしたか?
- He stood me up.
(彼は私との約束をすっぽかした) - I was stood up.
(私は約束をすっぽかされた)
〜会話例〜
A: What?! I can’t believe this!
(ええ?!信じられない!)
B: What’s happened?
(どうしたの?)
A: It’s my boyfriend. He canceled on me at the last minute AGAIN! He’s done it three times in a row!
(彼氏よ。またドタキャンされたわ。これで3回連続よ!)
B: Does he tell you why?
(理由は言ってくれるの?)
A: He says an urgent matter has come up and he has to deal with it. But why always at such a bad timing?! Last time, he texted me and canceled our date just when I was about to leave the office.
(緊急の事態が起きて対処しなきゃいけないって。でも、何故いつもそんなにタイミング悪く?!こないだなんて、私がまさに会社を出ようという時になってメッセージが来て、デートをキャンセルしたのよ)
B: I think you should break up with him.
(別れた方がいいんじゃないの)
A: Maybe, I should. Before I get stood up.
(多分そうね。すっぽかされる前にね)
不利益を表すonの使い方
cancelの後ろにon meを付けることで相手を非難するニュアンスが出てくるとお伝えしました。色んな場面で活躍する前置詞onですが、こんな風にonには不利益を表す役割もあるのです。今回ご紹介した「ドタキャン」の場面以外でも使うことができます。
例えば、電話で話している途中に相手が突然ガチャンと電話を切ってしまったというような時、“She hung up on me.”と言えば「彼女に電話を切られた」ということになります。もし単に“She hung up the phone.”と言えば、ただ「彼女は電話を切った」という事実を伝えているだけです。ところが、ここにon meを加えると、急に電話を切られて不愉快な気持ちになっているあなたの顔が浮かんできます。また、“He shut the door on me.”と言えば、「目の前で彼にバタンとドアを閉められた」といった感じです。
最後に
「ドタキャン」も「すっぽかし」も、できれば遭遇したくない状況ですが、どうしようもない状況で、致し方なく予定をキャンセルしたり、約束の場所に行くことができなかったりすることもあるかと思います。そんな時は、ちゃんと理由を説明した上で、“I am very sorry I had to cancel at the last minute.(ドタキャンしてしまって本当にごめんなさい)”と誠心誠意謝ることです。ここでhave to をつけることで、「そうせざるを得なかった」というニュアンスが含まれてきます。また、on youというような不利益を匂わせる表現はここではあえて入れずに、ニュートラルに事実を伝えるようにしましょう。心を込めて謝れば、「仕方がない、今回は許してあげようか」と思ってもらえるのではないでしょうか。ちょっとした言葉を付け加えることで伝わるニュアンスが変わってきますので、是非ご活用してみて下さい。
この記事を書いた人
Yoshiko
こんにちは。英語講師・学習コンサルタントのYoshikoです。
洋楽をきっかけに英語学習を始め、日本の大学で英語を学び、留学経験なしに英語を習得しました。
英会話スクールで10年以上教えた後に、現在は大学講座、法人研修での指導、オンラインレッスンや学習コンサルティングを行っています。トータルで20年以上の講師経験と日本で英語を習得した経験をもとに学習サポートを行っています。
英語を教えるだけでなく、英語の学び方・トレーニングの方法もお伝えしています。皆さんが英語を使って世界を広げ新しい可能性を広げていけるように、学習のお手伝いができればと思います。
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