「ストイック」という言葉は日本語では自分を厳しく律し、たゆまぬ努力をする人のことを指しますが、英語では全く異なる意味になることはご存知でしたか?今回は、“stoic”の語源に触れながら、日本語と英語の「ストイック」の違いについて解説していきます。
英語の“stoic”は無感情、無表情という意味
古代ギリシャでゼノンによって始められたstoicism(ストア哲学)は、感情的にならずに痛みや苦難を忍耐強く乗り越えることを意味します。日本語では本来の意味から「忍耐強く乗り越える」の部分が切り取られ、「ストイック」として使われるようになりました。一方、英語では「感情的にならない」の部分が本来の意味から切り取られたため、英語で“stoic”と表現する場合は、目の前で起きていることを無感情・無表情の状態で受け入れることを意味し、どんな状況でも動じず、焦らず、感情を表に出さない人を表す時に使われます。英語で“ストイックな人”と言うと、ぶっきらぼうな人を指すこともありますが、感情的にならずに我慢強い人という印象もあります。また、英語ではストア哲学についていろいろ語られており、その中には企業のトップやアスリートは自然と無表情・無感情になりやすいという説があります。
- He is a stoic person even in the most difficult of circumstances.
(どんな苦難な状況でも、彼は感情を表に出さない人です) - A stoic person can control his/her strong emotions.
(ストイックな人は自分の強い感情をコントロールすることができます)
日本語の「ストイックな人」を英語で表す時に使える表現
Self-discipline/Self-control
→「自制心がある」
Perseverance
→「忍耐強さ」
Diligent
→「絶えず努力する」
日本語の「ストイックな人」は自分に厳しい人を意味するため、英語で表現する場合は“self-discipline=自制心がある”や“perseverant person=忍耐強い人”、“diligent person=努力家”などを使うようにするといいでしょう。
- Self-disciplined kids can resist temptation.
(自制心がある子どもは誘惑に負けません) - Laura has perseverance and kindness in any situation.
(ローラはどんな時も忍耐強さと優しさを持ち合わせています) - Kevin is a diligent worker and deserves to be recognized.
(ケビンは努力家で、評価されるべきです)
この記事を書いた人
Michelle
こんにちは、Michelleです。カリフォルニア・ロサンゼルスで生まれ、南カリフォルニアで育ちました。現地校に通いながら、幼稚園から中学校まで日本語補習校に毎日通い、年に一度は日本に一時帰国していました。日本人の両親の元で大学まで米国で過ごし、アメリカ・日本の文化の大事さを学びました。
通訳・翻訳の仕事をしながら、英会話の個人レッスンを15年間しておりました。バイリンガルの環境の中でレッスンを行うことにより、さらに効率的に自然な英語力が身につくと考えています。現在はボストンと日本を行き来しながら、ビジネス英語を中心としたレッスンを行っております。
【資格】
TESOL Certification
TEFL Certification
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