髪の毛が伸びてきた友達に対して「髪の毛伸びてきたねー、そろそろ切ったら?」と言ったり、次の予定が近づき「そろそろ行かなくちゃ!」と言ったりなど、日本語の「そろそろ」という表現は日常の様々なシーンで使えるフレーズですが、実は英語で直訳することができない表現の一つなんです。そこで今回は、状況に応じて使い分ける「そろそろ」を意味する自然な表現をご紹介したいと思います。
It’s about timeを使って表現する「そろそろ」
1) 「そろそろ〜する時間だ」の意味で使う場合
it’s about time to ____ は「そろそろ〜する時間だ」を意味し、何かをする時間が近づいているときに使える表現です。例えば、「そろそろ家に帰る時間です」は「It’s about time to go home.」、「そろそろ仕事に戻る時間です」は「It’s about time to get back to work.」のように表し、it’s about time to の後に動詞がフォローします。この表現では、about が「そろそろ」を意味しますが、日常会話では「It’s time to go home.」や「It’s time to get back to work.」のようにaboutを省いて言う方がより自然です。Aboutを省いてしまうと、厳密には「It’s time to go home=家に帰る時間です」、「It’s time to get back to work=仕事に戻る時間です」のように多少意味が変わってしまいますが、it’s about time to よりも it’s time to を使った方がより自然な響きがあるように感じます。
2) 「やっとだ」の意味で使う場合
It’s about timeを日常会話で使う場合は、もっと前に何かをするべきだったと強調したいときに使われるのが一般的で、日本語の「やっとだ」に相当します。例えば、ずっと髪の毛がぼうぼうだった友達がやっと髪の毛を切ったときに「It’s about time you got a haircut!」と言ったり、10年以上タバコを吸っている友達がやめたときに「It’s about time you quit smoking.」 と言います。ここでのポイントは2つ目の動詞が過去形になることです。
- その他、「It’s about time!」だけで「やっとだ!」の意味として使うこともできます。
A: The bus is finally coming.
(バスがやっと来た!)
B: It’s about time! We’ve been waiting for over an hour.
(やっとだ。1時間以上も待ってたよ。)
〜会話例2〜
A: Did you hear that Ken proposed to Lisa?
(ケンがリサにプロポーズしたって聞いた?)
B: It’s about time. They’ve been together for 12 years.
(やっとだね。あの二人12年も付き合っているからね。)
3) 「そろそろ〜してもいい頃だ」の意味で使う場合
It’s about timeは「そろそろ〜してもいい頃だ」のように、前からするべきだったことが後回しになっているという意味で使うこともできます。例えば、先ほど紹介した「It’s about time you got a haircut.」は「やっと髪の毛切ったね」と「そろそろ髪の毛を切ったら」二つの意味を持ち、状況に応じてどちらの意味になるのかを判断しないといけません。「そろそろ髪の毛を切ったら」の意味として使う場合も、二つ目の動詞は必ず過去形になるのがポイントです。文法上、仮定法の文になるため動詞を過去形にする必要がありますが、まだ髪を切っていないのに過去形にするのは分かりにくいですよね・・・。It’s still confusing.
(You) should ___ soonを使って表す「そろそろ」
1) 「そろそろ~したら」の意味で使う場合
「そろそろ〜したら」と言いたい時は、 “You should ____ soon”を使うことをオススメします。例えば、「そろそろ髪の毛切ったら」は「You should get a haircut soon.」、「そろそろタバコやめたら」は「You should quit smoking soon.」のように表します。またここでは、 shouldをneedに置き換えることで、やらなければいけないことをより強調することもできます。例えば、働いていない友達に、「You need to find a job soon.」と言うと「そろそろ仕事を探さないと」となり、shouldよりも強い度合いを表します。
2) 「そろそろ~するはずだ」の意味で使う場合
Should ___ soonは「そろそろ~するはずだ」の意味で使うこともでき、例えば「そろそろ彼は来るはずだよ」は「He should be coming soon.」、「そろそろ電車が到着するはずだ」は「The train should be arriving soon.」のように表現します。ここでは soonをany time nowに置き換えることもでき、「He should be coming any time now.」や「The train should be arriving any time now」にすることで、今来ること、今到着することがより強調されます。
3) 「そろそろ〜しようか?」の意味で使う場合
「そろそろ~しようか?」と友達に何かを提案するときにも、should ____ soon の形式を使うことができ、「そろそろ行こうか?」は「Should we get going (soon)?」、「そろそろランチに行こうか?」は「 Should we go to lunch (soon)?」、「そろそろ始めようか?」は 「Should we get started (soon)?」と表現します。しかしアメリカでは、soon を省いて 「Should we get going? / Should we go to lunch? / Should we take a break?」と言うことも一般的で、「今すぐ何かをしたい」というニュアンスになります。もっとストレートに「〜しよう」と提案する場合は、 Let’s を使って「Let’s get going.」や「Let’s go to lunch.」、「Let’s get started.」と表現するといいでしょう。
ちなみに、ここでは Should we ____?の代わりにShall we ___?を使うこともできますが、アメリカ英語では何かを提案する時は 一般的に should we が使われます。
「そろそろ行かないと」を表す定番表現
最後に、「そろそろ行かないと」「そろそろ帰らないと」を表す表現をいくつか紹介します。基本的には、次の3つの表現が使われます。
I’ve got to get going.
I’d better get going.
I should get going.
これら3つの表現は全て「行かないといけない」を意味しますが、「I’ve got to get going.」 は「今すぐ行かないといけない」、「I’d better get going.」は「もう行かなくちゃ」、そして「I should get going.」は「そろそろ行かないと」となり、多少ニュアンスが異なります。時間にちょっと余裕がある場合は、soon を使って 「I should get going soon.」 と言うこともできます。また、get going の代わりに go を使って「I’ve got to go / I’d better go / I should go.」と言うこともでき、get goingを使う場合よりも、より急いでいる気持ちが相手に伝わります。時間に余裕がある場合は「I should get going soon.」、急いでいる場合は「I’ve gotta go.」を使うといいでしょう。
動画レッスン
Advertisement
I have to go と I’ve got to go は同じニュアンスですか?
どちらが急いでる感がありますか?
小杉さん
どちらもニュアンスと意味は同じです。