日本語には、「死ぬ」や「死亡する」、または「亡くなる」や「この世を去る」など人の死を表す言い回しが沢山あり、状況に応じて失礼のないよう適切な表現がされているかと思いますが、英語にも同様の習慣があるのはご存知ですか?地域や宗教によって色々な言い方がありますが、今回はその中でも頻繁に耳にする「死」を意味する言い回しをご紹介します。
1) Die
→「死ぬ」
“Die”は「死ぬ」を意味する動詞ですが、日本語と同様、ストレートまたはダイレクト過ぎる響きがあります。誰かの突然の死を身内に報告する場合に「_____ died.(〇〇さんは死にました)」と言うことはありますが、何年も前に亡くなったことを「_____ died 5 years ago.(〇〇さんは5年前に死にました)」と言うと、ちょっと言葉遣いが悪い印象があります。
- “Die(死ぬ)”は動詞、“Dead(死んでいる[状態])”は形容詞。(例:「He died.(彼は死んだ)」、「He is dead.(彼は死んでいる)」)
- 「Died of _____」→「〜が原因で死ぬ」
- ペットが死んだことを表現する場合は、“Die”が使われる傾向がある。
・My grandpa died of cancer.(私の祖父は、ガンで死にました。)
・My dog died 3 years ago.(私の犬は3年前に死にました。)
2) Pass away
→「亡くなる / この世を去る」
日本語で言う「亡くなる」や「この世を去る」に相当する表現で、一般的に英語では最もよく使われる言い方でしょう。「死ぬ(Die)」よりも柔らかく上品な響きがあります。「_____ passed away.(〇〇さんが亡くなりました)」という具合に使います。
- “Passed away”を略して“Passed”と言うこともよくある。
- 「〜が原因で死ぬ」を「Pass away from ____」と表すのは、文法上は正しいが日常会話では不自然。一般的に「_____ passed away. _____ had cancer.(〇〇さんはガンで亡くなりました)」のように表現する。
・My grandma passed away 10 years ago. She had a heart attack.(私の祖母は心臓発作で、10年前にこの世を去りました。)
・He passed away at the age of 82.(彼は82歳で亡くなりました。)
3) Lose someone
→「亡くす / 失う」
日本語では人が亡くなったことを「失う」とも表現しますが、英語でも“Lose(失う)”を使って同様の言い方をします。特に、病気や事故で亡くなったことを表す状況で使われます。“Die”のようにストレートな響きはありません。例えば、「叔父をガンで亡くしました」は「I lost my grandfather to cancer.」と表します。
- 病気で誰かを亡くした場合は「I lost(人) to(病名)」、事故の場合は「I lost(人)in a(事故)」
- ガン(などの病気)で人が亡くなったことを「He lost his battle with cancer.(彼はガンとの戦いに敗れた)」のように表現することもあるが、この表現は亡くなった人を侮辱する響きがあるため、使うのは避けたほうが無難。
・She lost her mother to Alzheimer’s disease.(彼女は、アルツハイマー病で母親を亡くしました。)
・He lost a friend to drug addiction.(薬物中毒で、彼は友達を失いました。)
4) Gone
→「(すでに)亡くなっている / 他界している」
“Gone”は「消失」や「去る」などを意味することから、人がこの世からいなくなったことを比喩的に表す言い方になります。意味と使い方は“Dead”と同じですが、“Dead”ほど生々しい響きはありません。
・I’m really sorry. Peter is gone.(お悔やみ申し上げます。ピーターさんはお亡くなりになりました。)
・What do you mean he’s gone? He’s dead?(いなくなったってどういうこと?彼、死んだの?)
5) Late
→「今は亡き〜 / 亡くなった〜」
日本語では、既に亡くなった人のことを「今は亡き〜」のように表現しますが、英語では、“Late”を使って同様の表現ができます。例えば、「My late grandma was very generous.」と言えば「(亡くなった)祖母は、とても寛大な人でした」となり、それを聞いた相手は、祖母が亡くなっていることをはっきり理解できます。“Late”を使わず「My grandma was very generous.」だけでも、(文章が過去形のため)祖母が他界していることを解釈でいますが、あくまで“解釈”しているだけになります。(人が)亡くなっていることを相手に明確に伝えたいのであれば、“Late”を使うといいでしょう。
- 使い方:「late」+「人」
- 「父親が亡くなった」を「My father is late.」とは言わないので注意。
・The late Muhammad Ali was an inspiration to the world.(故人モハメド・アリは、世界に元気と勇気を与えた。)
・Did you know that I had the opportunity to spend time with the late Steve Jobs?(私には、今は亡きスティーブ・ジョブスと時間を共にしたことがあったのを知っていますか?)
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質問です。lateの場合、
My late grandfather was very generous.
となりbe動詞は過去形ですが
goneの場合be動詞は現在形なのでしょうか。goneが過去分詞だからでしょうか?
初歩的な質問ですみません。
あさみんさん
こんにちは。”was gone”と表現すると「亡くなっていました」を意味するので、「生き返った/今は生きている」ことになります。なので、”gone”を使う場合、be動詞は必ず現在形にするようにしましょう。
じゅんさん、ありがとうございます。
東京でのセミナー参加、去年に引き続き楽しみにしております。
こんにちは。とても興味深く読みました。質問したいのですが、日本では高齢の方がよく、「早くお墓に入りたい」「お父さんのとこに行きたい」「お迎えが来てほしい」などと言ったりします。これは、もう十分生きたし、早く死んでも構わない、もう死んでも構わないと言うときにそのような言葉を言うように思います。海外ではこれに当たる表現はありますか?