アメリカでは、誰かに褒められたら、その言葉を素直に受け止めて、シンプルに「Thank you」と返答するのが最もナチュラルです。日本の場合は、褒められても、そのまま受け止めずに否定することが謙虚で一般的なマナーだと思います。しかし、もし褒めてくれたアメリカ人の言葉に対し否定しすぎてしまうと、否定されることに慣れていないアメリカ人はどう反応して良いのか分からず困ってしまうので、英語で褒められたら、素直にその言葉を受け入れ、笑顔で「Thank you」または「Thanks」とお礼を述べるといいでしょう。そして今回は、そんな状況で「Thank you」の代わりに使えるお礼の一言をいくつかご紹介しようと思います。
1) I appreciate that.
→「感謝します」
Appreciateは「感謝」を意味する単語で、「I appreciate that.」は「Thank you」よりも多少フォーマルな響きがあります。しかし、アメリカでは友達同士の会話でもよく使われており、「Thanks. I appreciate that.」の組合せで使われることも一般的です。
〜会話例1〜
A: I’ve taken a lot English lessons but I think you are the best teacher for me.
(これまで、たくさんの英語のレッスンを受けてきましたが、先生が私にとって一番だと思います。)
B: I appreciate that. I really enjoy teaching you too.
(ありがとう。あなたを教えるのもとても楽しいです。)
〜会話例2〜
A: Did you draw this? This is amazing. You have some serious talent!
(これあなたが描いたの?すごいね!めっちゃ才能あるじゃん。)
B: Thanks. I appreciate that. I just draw for fun when I’m bored.
(ありがとう。暇な時に絵を描いてるだけだけどね。)
2) Thanks but I’m still working on it.
→「ありがとう。上達するために頑張っています。」
外国人に「Your English is really good.」って言われたことはありませんか?そんな時にピッタリの返答が「Thanks. But I’m still working on it.」です。この表現は、褒め言葉を素直に受け入れつつ、「より上達できるよう頑張っています」という謙虚な態度も同時に示すとてもナチュラルな返事の仕方で、日本語の「まだまだですけどね」に近いニュアンスがあります。英語に限らず「料理上手ですね」や「ギター弾くの上手ですね」のような褒め言葉に対しても使えます。シンプルに「I’m working on it.」だけでもOKです。
〜会話例1〜
A: I’m really impressed. Your English is really good!
(すごいんですね。本当に英語上手ですね。)
B: Thanks but I’m still working on it.
(ありがとう。でも、まだ勉強中だよ。)
〜会話例2〜
A: You’re really getting good at cooking.
(料理が本当に上手になってきたね。)
B: Thanks. I’m working on it. I actually take cooking classes a few times a month.
(ありがとう。頑張っているよ。実は月に数回、料理教室に通っているんだ。)
3) Thank you for saying that.
→「そう言ってもらえて嬉しい限りです」
この表現は、「プレゼン、すごくよかったと思うよ」や「あなたの料理が一番美味しいと思う」のように、相手の褒め言葉に“励まし”のニュアンスが含まれている場合に用いるのが一般的です。なので、ファッションや顔立ちなど外見や容姿ではなく、あなたの能力や行動、または性格を褒められた時に使うのが自然でしょう。
〜会話例1〜
A: I thought your presentation was excellent today.
(今日のプレゼンは最高だったと思うよ。)
B: Thank you for saying that. I was actually really nervous about giving this presentation.
(そう言ってもらえて嬉しい限りです。実は、このプレゼンをするのにすごく緊張していました。)
〜会話例2〜
A: I’m positive you’ll be very successful one day. You are driven, resilient and compassionate.
(あなたはいつか絶対に成功すると思います。やる気もあるし、粘り強いし、思いやりもあるしね。)
B: Thank you for saying that. That means a lot coming from you.
(そう言ってもらえて嬉しい限りです。あなたにそう言ってもらえるのは光栄です。)
4) You’re so sweet.
→「あなたは本当に優しいね」
この表現は、親切で思いやりのある行為に対して「(あなたは)優しいね!」と言う場合に使われる定番フレーズです。Sweetは、親切な人や思いやりのある優しい人のことを示しています。一般的に女性が使う表現で、女性同士の会話、または女性が彼氏などに対して使っている傾向があります。この表現も「Thank you」または「Thanks」と組み合わて使うのが定番のパターンです。
〜会話例1〜
A: That’s a beautiful dress. It looks great on you!
(そのドレス素敵だね。とても似合っているよ。)
B: Thank you. You’re so sweet.
(ありがとう。本当に優しいね。)
〜会話例2〜
A: I think you make the best cookies in the world.
(君の作る手作りクッキーが、この世で一番美味しいんとちゃう?)
B: You’re so sweet. But I think these cookies could use a little more sugar.
(ほんま、あんたは優しいんやから。でもな、このクッキー、ちょっと砂糖が足りひん気もすんねんな。)
動画レッスン
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こんにちは。いつも為になる実践型の英会話を発信して下さり有難う御座います。この度質問ですが、逆に容姿や着ているものや持ち物を褒められた時、どう返すのが一番良いですか?親しい相手からと初対面の人に褒められた時の返答の仕方を教えて下さい。こちらは照れて一先ず有難うと言った後、会話が続きません。どの様に即答した後の次の会話に繋がる文章が自然ですか?
直子さん
こんにちは。容姿や着ているものを褒められた、シンプルに「Thank you」というのが一般的です。基本、Thank youと言った後は、特に何かを言う必要はないです。相手が、褒めたアイテムについてもっと知りたい場合は、自分がThank youと言った後に、あっちから質問してくるでしょう。もし、Thank youの後に一言加えたい場合、「〜で買いました」、「〜からプレゼントでもらいました」、「私もこの〜をすごく気に入っています」のようなことを言ってもOKです。
こんにちは。
いつも楽しいレッスンありがとうございます!
使えるフレーズ、分かりやすい解説にモチベーションが上がります。
褒め言葉についてですが、beautiful,pretty,cuteなど可愛いや綺麗の意味の単語、日本語英語とネイティブの方の使い方とでギャップを感じる気がします。
日本語でプリティやキュートは可愛い感じがしますが、英語では美人な人に対して「pretty」と言ったり、男性に対して「cute」と言ったりしていて少し違和感を感じます。
ネイティブの方の感覚を解説していただけたら嬉しいです。
kyokoさん
こんにちは!そうですね、アメリカ人の感覚からすると、cuteが可愛い、prettyが綺麗、beautifulが美人だと思います。cuteは男性の外見&内面(性格)に対して使えますが、prettyとbeautifulは基本、女性に対して使われます。
凄く役に立ちました!(^^)!
時々 仕事で外人の方と話してると Your English is very good って 言って貰えることが有るんですが いつもThank you っていうばかり
今回のトピックスで 気の利いた有難うが言えます
misamisaさん
ありがとうございます。次回、英語を褒められたら今回のフレーズを使ってみてください!
こんにちは。いつも楽しみにしています。英語の勉強をしていることを相手が知っていて、褒められたときに、2)と3)を組み合わせて言うのは不自然ですか?
もし、私が英語をほめてもらえたとしたら、言いたい気持ちに一番近いのはThank you for saying that, but I’m still working on it. となる気がしました。
Eriさん
いつもありがとうございます。2 & 3組み合わせても、全然OKです。Thank you for saying that but I’m still working on it!はとても自然な言い方です。
いつもためになる動画をありがとうございます(^^)
英語を褒められたときの返し方、l’m still working on it.と、l’m still carrying on it . ではどういうニュアンスの違いがあるでしょうか?
Yokoさん
いつもHapa英会話で学習していただき、ありがとうございます。
英語を褒められたときの返し方で、I’m still carrying on it. という言い方は聞いたことがないのですが、どんな感じで使われていたか覚えていますか?状況を教えていただけたら説明できるかもしれません。よろしくお願いします!
Junさん
お返事ありがとうございます。
私の使っている電子辞書にはジーニアス大辞典が入っているんですが、その中の成句検索で
carry on を調べたら〈人が〉〔仕事などを〕(がんばって)続ける 、とあり、
carry on as usual. とか He carried on with his experiment. と言う例文が載っていました。
それが記憶にあったので、英語を褒められた時、I’m still carrying on it .とも言えるのかなぁ、また、carry on とwork on ではどんな違いがあるんだろう、と思いご質問させていただきました。
yokoさん
ご説明していただき、ありがとうございます!Carry onは「続ける」や「続行する」を意味する表現で、一度中断した仕事や作業を続けたり、または会話などを続けることを意味します。一般的には、”Carry on with your work.(仕事を続けてください)”と指示をしたり、”I’m going to carry on with my work.(仕事を続けます)”のように使われ、褒め言葉の返答として使うのはちょっと違和感があります。「〜を続けますね」と言いたい時に、carry onを使うといいでしょう。
Junさん
なるほど〜!よくわかりスッキリしました。
辞書だけではわからない、微妙なニュアンスの違いを教えてくださり、とても嬉しいです。ありがとうございました😊
これからも頑張ってJunさんの動画やブログ、podcast などで、大好きな英語の勉強を〈続けます〉ね。
拙いわたしの質問に丁寧にお答え下さり、本当に嬉しかったです。
ありがとうございました!
暑い日が続きます。夏バテしないでくださいね。