ビジネスメールでよく使われる「取り急ぎ」を多くの辞書では、「Just a quick note」と紹介しているようですが、私はこれまでそのように表現したことがありません。また、ネイティブとのメールのやり取りで、そのように表現しているメールを見たこともありません。勿論、文法的に間違いではないですし、ロサンゼルス以外(他州や他の英語圏の国など)では使われていることは十分考えられますが、今日のコラムでは、私の周りのネイティブの人たちが「取り急ぎ」を表現する際によく使う英語フレーズをご紹介します。
1) I just wanted to _____.
→「取り急ぎ〜」
これまでの私の経験からすると、日本語の「取り急ぎ」に最も近い意味合いをもつ英語表現は「I just wanted to」です。用件を簡潔に伝えるニュアンスがあり、メールに限らず電話や日常会話でも使われます。しかし、この表現はネイティブ(アメリカ人)からすると回りくどいと感じる人も多く、いきなり用件を伝えても問題ありません。
- 日本語では用件を伝えてから、メールの末尾で「取り急ぎご連絡まで」と文を締めくくるが、英語では「I just wanted to」の後に具体的な用件を伝えるため、冒頭で述べることになる。
・I just wanted to let you know I confirmed our appointment tonight.(一応、今夜のアポについて確認いたしました。取り急ぎご報告まで。)
・I just wanted to let you know we received your payment today.(本日、確かにご入金確認いたしました。取り急ぎご連絡まで。)
・I just wanted to thank you for taking time out of your busy schedule to meet with us today.(本日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます。まずは、お礼申し上げます。)
・I just wanted to let you know we received your payment today.(本日、確かにご入金確認いたしました。取り急ぎご連絡まで。)
・I just wanted to thank you for taking time out of your busy schedule to meet with us today.(本日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます。まずは、お礼申し上げます。)
2) This is (just) friendly reminder _____.
→「念のためにお知らせいたします(取り急ぎご連絡まで)」
「念のためにお知らせいたします」を意味するメール表現です。“friendly”を加えることで、「覚えているとは思いますが念のために」といった柔らかいニュアンスになります。支払期日や締切日など様々なリマインダーメールを出すときに、前置きとしてよく使われる表現です。
- 冒頭で用いられる。
・This is just a friendly reminder that your payment is due in 5 days.(お支払い期日が5日後となっておりますので、念のためにお知らせいたします。)
・This is a friendly reminder that you have an upcoming reservation at ABC Hotel.(ABCホテルでのご宿泊が間もなくとなっております。取り急ぎご連絡まで。)
・Just a friendly reminder that tonight is our office year-end party.(今夜は社内の忘年会です。取り急ぎご連絡まで。)
・This is a friendly reminder that you have an upcoming reservation at ABC Hotel.(ABCホテルでのご宿泊が間もなくとなっております。取り急ぎご連絡まで。)
・Just a friendly reminder that tonight is our office year-end party.(今夜は社内の忘年会です。取り急ぎご連絡まで。)
Advertisement
Hi Jun,
今回の表現すごく役に立ちました!
「取り急ぎご連絡・・」的な表現って、英語では存在しないんだと思っていました。
I just wanted to なんですね。でもこの表現でもネイティブからすると回りくどいと感じる人が多いっていうのも何となくわかります。そうだろうな~って思います!
Just a friendly reminder これいいですね!!
日本語から訳そうと考えていると出てこない表現だと思います。
前に実際に使いたい場面あったので、次回あれば是非、使わせていただきます!!
これからもいろんな表現どんどん教えてくださいね。楽しみにしています。
Have a good day!
AKi
Hi Jun,
just wanted to make sure i understand the meaning of where it says “I just wanted to confirm our appointment tonight”
The japanese transition you provided reads “一応、今夜のアポについて確認いたしました。取り急ぎご報告まで”, but i wonder you meant something like “今夜のアポがとれているか確認したいのですが” or “今夜のアポがとれているか念のため確認したかったので連絡させていただきました”.
If your japanese transition is intended, shouldn’t it be translated like “i just wanted to let you know i confirmed our appointment tonight.” ?
古いコメントへの返事で恐縮ですが。
「今夜のアポがとれているか確認したいのですが」という日本語の文は、元の英文とは意味が違います。
I just wanted to let you know ~.は、私は取り急ぎあなたに~をお知らせしておきます。となりますよね。
そして、そのお知らせする内容である「~」にあたるのが、I confirmed our appointment tonight.です。
つまり、「私は今夜の私たちのアポイントについて確認しました」という事です。
日本語の「確認」が、「相手に対して再度聞き直す」と言う意味も持っているので混乱しやすいですが、今回の場合の「確認」は、自分自身が相手の提案を確かに承認したという意味であって、この文によって相手に再び聞き直しているわけではありません。
状況としては、相手が私に対して今夜のアポイントメントについて連絡してきており、私はそれに対して、確認しましたのでとりあえずお知らせします、と答えているのです。
「今夜のアポイントメント(についてあなたから頂いた連絡)を私は確認しましたよ(つまり、今夜確かに会うと言うことでOKですよ)。それをあなたにお知らせします」という意味です。
Kote san
質問が和訳についてですので、淳さんに尋ねるのもどうかと思いまして。(もちろん淳さんは日本語に堪能な方ですが)
一般の日本人が使う日本語に問題があるように思います。
日本語での「アポが取れた」というのは「会う約束が出来た」ということですので、our appointmentは、「今晩のアポ(私たちの会う約束)を確認(覚えておられるか)念のためご連絡いたしました」くらいになると思います。
If your japanese transition is intended, shouldn’t it be translated like “i just wanted to let you know i confirmed our appointment tonight.” ?
そういうことになると思います。
こちらは淳さんがもっといい回答を下さると思います。
“i just wanted to let you know i confirmed our appointment tonight.” ?
そういった意味合いになると思います。
すぐにでも使いたい表現です。
ありがとうございます!
Hi Jun.
What’s up!
I confuse the next sentences.
It would be helpful if you could explain me about nuance.
1)I just wanted to notify you that we received the documents.
2)I just wanted to give you a heads up about my schedule.
3)I just wanted to let you know you have an appointment at 5pm tonight.
notify:知らせる、通知する
(Give someone a) heads up:(誰かに)何を知らせる→何かを?
let you know:あなたに知らせます
全て、あなたに知らせるという同意語ですが、使い分けが分かりません。
My English skill is kindergarten level.
優しい解説お待ちしています。
Hi Ken,
Great question! 確かに全部知らせるを意味しますが、フォーマルの度合いになります。「Let you know」が最も無難な言い方で、最も頻度よく使われます。この表現はフォーマル&インフォーマルな場で使えます。「Notify」はフォーマルな響き、「Heads up」はインフォーマルな感じになります。I hope this helps!
Hi Jun!
Thank you for your kind message.
I got it.
“Let you know” is good for everything.
And “Heads up” is casual type.
I’ll keep that in mind.
Good luck.
Thanks.
Hi!! Mr. Jun!!
Amazing explanation, as always!!
I’ve used that ” I just wanted to notify you—-” lately, however my dictionary says that ”
I hasten to inform you about it ” 取り急ぎおしらせします。”
Does it sound strange?
Sounds business mail??
辞書に書かれていても、実際にネイティヴが使っていない表現も多そうですね。
こういう時に両方使いこなせるJun先生がおられるのでいつも助けていただいています。
ありがとうございます。
Anyway, have a nice day!!
Hey Masami
“I hasten to inform you”はアメリカでは聞かない表現ですね。私も辞書で調べた時に「hasten to inform」を見た時に、「え?何これ?」と思いました(笑)要注意ですね・・・
まさに、言葉が生きているという証拠ですね。
そして、日本語→変換(直訳=全く同じ意味)→英語と考えることが、いかに危険かということが分かりました。
あくまでも自分の意思を伝える手段として、こういったニュアンスが近いということであり、必ずしも一致した意味であるとは限らないのですね。
うーん、そう思うとやはり語学は楽しいです。
But, I must study hard…
Hello! Mr.Jun!!
やはりそうなんですか。
ありがとうございます。
不思議な表現だと思いましが、お聞きしなかったら、このフレーズごと覚えてしまうところでした。
なかなか、英訳しにくい表現なのでしょうね。しかし.. 要注意だったとは。
ありがとうございます。