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公開日2023.08.08

バイリンガル教育の向き不向き

今回は「おうち英語シリーズ」の第2弾、「バイリンガル教育の向き不向き」をお届けします。「子供をバイリンガルに育てたい!」と考える親御さんは年々増加しているようですが、幼少期から2つの言語を学ばせることには、果たして子供の言語成長において良いことなのでしょうか?また母国語への影響はないのでしょうか?開智日本橋学園中学・高等学校英語科教諭の西山哲郎先生に、幼少期から始める英語学習と母国語への影響、そして保護者の心構えについてお話を伺います。

1. 幼少期から子供に2つの言語を学ばせても大丈夫? (0:47)

西山先生:私は過去にイングリッシュ・イマージョン・プログラムを取り入れた小学校で教師をやっていました。イングリッシュ・イマージョン・プログラムを取り入れている学校では、国語、家庭科、社会を除くすべての教科の授業が英語で行われます。
日本の昔ながらの中学や高校では、いまだに教師は日本語で文法の解説をしたり、英文の読解方法を教えたりしています。私が勤めていた学校ではイマージョン・プログラムを取り入れており、幼少期から英語を主とした教育を受けてきた子供たちは、問題なく2つの言語を修得していました。

Jun:なるほど。つまり、幼少期に複数の言語を学んでも混乱は起きないということですね。
バイリンガルは、”code-mix”と呼ばれる技術を操れるようになります。会話の中で英語と日本語を自然と混ぜ合わせて会話をすることができるんです。まるで自分だけのオリジナルの言語のようなもので、他の人には理解できないと思います。英語と日本語を混ぜて会話できるようになることは、バイリンガルの面白い側面です。ある程度の年齢になってから語学学習を始めても、2つの言語を自然と行ったり来たりする感覚は身に付きませんが、幼少期であれば言語が混ざり合っても、動揺することなく自然と会話が進められるんです。この点が、幼少期に複数の言語を学び「混乱」させることのメリットであると言えると思います。

西山先生:その通りです。人々はもっと脳の複雑なメカニズムを信じるべきだと思います。実際にバイリンガル教育が子供や大人に脳に悪影響を与えるといった明確なエビデンスはほとんど見当たりません。私は長年日本の英語教育の発展に携わっていますが、時々、英語に重点を置きすぎることは子供の母国語である日本語に悪影響を及ぼすのではないかと、英語教師や保護者から批判を受けることもあります。しかし、それは事実ではないと思います。そろそろ日本の教育者も立ち上がり、日本の教育システムを向上させる必要があると思います。
台湾やドイツ、オランダなどでは、”Language arts(言語技術を育む授業)”と呼ばれる独自の言語学習カリキュラムが既に作られています。しかし、日本ではいまだにこのようなカリキュラムは浸透していません。

2. バイリンガルキッズを育てるための親の心構え (6:21)

Jun:日本の教育が進化しない理由は「恐れ」にあると思います。日本人は、確信がない未知のものを恐れているんです。例えば、学校の授業の多くを英語にした場合、子供の日本語力にどんな影響があるのか?もちろん、誰にも未来は予測できません。子どもの母国語に悪影響が及ぶ可能性も否定できません。しかし、自分の選択が正しいということを信じる必要があると思います。また同時に、保護者も責任感を持って教育を行っていくべきです。ただ単に英語を主とした学校に行かせて、日本語と英語のバイリンガルになることを期待するのではダメなんです。子どもが帰ってきたら、次は日本語を話す順番なんです。親は子どもとしっかりとしたコミュニケーションを日本語で取る必要があります。すると子供は日本語を忘れなくなります。バイリンガルに育てるという理由で学校の先生に全責任を負わせても、自分が期待するような結果は出ないでしょう。

西山先生:子供をバイリンガルに育てたい親がある種の「恐れ」を抱いているという点は、その通りだと思います。イマージョン・プログラムを取り入れている学校の説明会を開催すると、保護者の方からたくさんの質問をいただきますが、その中でも特に「イマージョン・プログラムに参加すると、子供の日本語力に悪影響がありますか?」という質問を受けることがよくあります。保護者の中には期待と不安が入り混じっているのだと思います。

Jun:その通りですね。私は小学校4、5年生ぐらいまでは全日制の日本人学校に通っていて、その後はアメリカンスクールに行ったので、私の教育環境は日本語と英語が50/50でした。バイリンガル教育に不安を抱えている方に伝えられることは、教育の過程で失うものもあるということです。全てを手にしたい気持ちになるのはとてもよく理解できますが、現実はそう上手くいきません。得るものもあれば、失うものもあります。ここで大切なのは、何が一番大事なのか?ということです。自分の子供に完璧な日本語をマスターさせることが一番大事なのであれば、英語をメインにしたイマージョン・プログラムを取り入れている学校に行ったり、インターナショナルスクールに進学することは、選択すべき道ではないかもしれません。一方で、第二言語を習得することを最も重要視するのであれば、イマージョン・プログラムを取り入れている学校などへ進学することを検討しても良いかもしれません。結局は、100%の保証なんて存在しません。保護者はその点を十分に理解する必要があると、私は考えます。

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