「ハーフって羨ましい」と言われることがよくありますが、実際ハーフとして生まれ育った人はどう感じているのでしょうか?今回は、日米ハーフのバイリンガルであるOlivia先生と一緒に、ハーフのリアルな悩みについて話し合います。
1. 自分は本当の日本人なのか? (0:58)
Olivia先生:大人になってからはありのままの自分を受け入れられるようになりましたが、中・高生の頃はハーフであることに悩みを抱えていました。日本社会では、私は日本人の一人として十分通用するのか、とても不安でした。特に言語の面で不安を抱えていました。日本語の補習校に通っていた時、国語の音読の時間に漢字が読めずに何度も躓いたことがあり、周りの日本人の子どもたちに比べて日本語ができない自分に対して「自分はダメだな。本当の日本人じゃない」と悩むことがありました。
2. ハーフのメリットが悩みに変わるとき (3:34)
Jun:周りからは「Junは英語と日本語が両方喋れていいよね」と言われることがありましたが、僕は日本語と英語、両方の言語を話せることがキャリアの面でどう役立つのか、20代前半の時に悩んでいました。僕は小学校4年生まではロサンゼルスにある全日制の日本人学校に通い、5年生からアメリカンスクールに転校したので、日本語と英語を常に50/50の状態で学んできました。そのため、自分の日本語力と英語力に対して、常に自信がありませんでした。今でも、日本語と英語を人前で話す時は不安に思うこともあります。子どもの頃に二つの言語を同時に学ぶことで二か国語を話せるようになっても、それは両方の言語を完璧にマスターしたことにはならないということです。
3. ハーフはキャリア形成に有利の幻想 (6:12)
Olivia先生:周囲からは「Oliviaは3か国語話せるんだから、いい仕事がすぐに見つかるよ」と言われますが、実際は違います。私はJunさんとは違い、常に英語環境で育ってきたので英語力には自信があります。しかし、日本語は自分の英語力に比べるとまだまだで、どうやって日本語力を伸ばせばいいのか、悩んでいます。
Jun:そうですね。多くの人が勘違いしていると思いますが、複数の言語が話せても、それだけで良い職に就けるとは限りません。英語と日本語が話せて、それにプラスして何か特別な能力や知識があって初めて自分の価値が上がります。単に日本語と英語、二つの言を話せるだけでは、結局行き着くのは普通の仕事だけです。
Olivia先生:そうですね。二言語をネイティブレベルで話せるだけでは足りない時代になりましたね。
Jun:昔だったら、日本人で英語が話せれば「すごい」となっていましたが、そんな時代は終わりました。20年後、30年後は日本語と英語が話せて当たり前の時代になるのかなと思います。
今回のテーマである「ハーフの悩み」に話を戻しますが、やはり僕の一番の悩みは、常に言語に関してコンプレックスがあることですね。
3. バイリンガル教育の落とし穴 (9:45)
Jun:自分の子どもをバイリンガルに育てようと思っている親御さんにアドバイスするのは、まずは一つの言語に絞り、幼少期に基盤となる言語を固め、そこから第二言語を取り入れていく流れです。第二言語は100%完璧に話せる必要はありませんが、第一言語は様々な場面で他のどの言語よりも快適に話せる言語でなければなりません。
動画レッスン
Advertisement