“kick”と聞くと、「蹴る」や「キックする」といった意味がパッと思い浮かぶと思いますが、ネイティブの日常会話ではその他にも様々な意味で“kick”が使われています。そこで今回は、代表的な7つの“kick”を使った口語的な表現をご紹介していきます。
1. “kick”を使ったネイティブ表現①:Kicks(靴) (0:34)
“kicks”は「靴」を意味し、“shoes”の代わりに使える口語的な表現です。“kicks”を使う時は必ず複数形にしましょう。かなりカジュアルでインフォーマルな表現になるため、仲の良い友人との会話で使うようにしましょう。
- Nice kicks.
(いい靴だね) - I bought some new kicks today.
(今日、新しい靴を買ったよ) - Where did you buy those kicks?
(その靴はどこで買ったの?)
2. “kick”を使ったネイティブ表現②:Just for kicks(ただ楽しいから行う) (1:20)
“just for kicks”は“just for fun”と同じ意味合いになり、特に目的なく単に楽しいから何かを行うことを意味します。この表現は、退屈だから何かを始める、他にやることがなかったから始めると表現する状況でよく使われます。その他、悪戯や悪事、危険行為などに対しても使われることもよくあります。“just for kicks”はかなり砕けたインフォーマルな表現で、特に若者が使う傾向があります。そのため、日常会話では“just for fun”を使うようにするといいでしょう。
〜会話例1〜
A: Why did you dye your hair green?
(なんで髪の毛を緑に染めたの?)
B: I don’t know Just for kicks. It’s pretty cool, isn’t it?
(なんででだろう・・・ただ面白そうだったからさ。結構イケてると思わない?)
〜会話例2〜
A: You started taking online English lessons. I thought you hated English. Why did you decide to take English lessons all of a sudden?
(オンライン英会話を始めたんだって?英語は嫌いだと思っていたよ。なぜ急に始めようと思ったの?)
B: I don’t know Just for kicks. I was bored at home. So I decided to take online English lessons.
(なんででだろう・・・ただ面白そうだったから。家にいても退屈だったから、オンライン英会話レッスンを受けることにしたんだ)
〜会話例3〜
A: Why did you steal that bicycle?
(なぜ自転車を盗んだの?)
B: No reason. Just for kicks.
(特に意味はないよ。楽しそうだったからさ)
A: What do you mean no reason? Go return that bicycle.
(特に意味はないってどういうこと?その自転車を返してきなよ)
3. “kick”を使ったネイティブ表現③:Get a kick out of(~を大いに楽しむ) (3:07)
“get a kick out of ____”は、何かを大いに楽しんだり、面白いと思うことを意味します。ただし、スポーツや音楽、語学などを楽しむという意味で使うのではなく、何かを笑って楽しむといった意味で使われます。例えば、ダウンタウンの「ガキの使い」を見て笑ったり、変顔をしたりふざけ合いっこをしながら楽しんでいる子どもの姿を見て笑ったりするような状況で使います。“get a kick out of ____”は、自分自身を笑わせたり、楽しませることを意味します。
〜会話例1〜
A: Have you seen Gaki no Tsukai? It’s hilarious. You’ll get a real kick out of it.
(「ガキ使」観た?あれホントに面白いよね。絶対に笑っちゃうと思うよ)
B: I love that show. I get a kick out of it every time I watch it.
(あの番組面白いよね。毎回観るたびに笑っちゃうんだよね)
- I get a kick out of watching my kids act silly.
(子どもたちがふざけている姿を見ると笑っちゃう)
4. “kick”を使ったネイティブ表現④:Kick oneself(自分を責める) (4:09)
“kick oneself”を直訳すると「自分自身を蹴る」になりますが、この表現には、馬鹿なことをした自分を責めたり、せっかくのチャンスを逃して後悔するような意味合いが含まれます。
- You should buy that ticket right now. You’re going to kick yourself if it sells out next week.
(チケットを今買った方がいいよ。来週売り切れてたら後悔するよ) - You should just book it now. You’re going to kick yourself if the price goes up.
(チケットを今買った方がいいよ。値段が上がったら後悔するよ) - I’m kicking myself for not buying that stock last year.
(去年あの株を買わなかったことを後悔している)
5. “kick”を使ったネイティブ表現⑤:Has a kick to it(ピリ辛) (5:05)
“has a kick to it”は何かが少し辛いことを意味し、日本語の「ピリ辛」に相当する表現です。“a little spicy”の代わりに使うことができ、イイ感じにスパイスが効いていることを表します。使い方は簡単で、“has a kick to it”の前にピリッとする対象を入れるだけでOKです。
ちなみに、「イイ感じにピリッとしている」と表現する時は“has a nice kick to it”と表します。
- This soup has a (nice) kick to it.
(このスープは[いい感じに]ピリ辛だ) - This fried chicken has a (nice) kick to it.
(このフライドチキンは[いい感じに]ピリ辛だ)
6. “kick”を使ったネイティブ表現⑥:Kick it(遊ぶ) (6:13)
“kick it”は誰かと時間を過ごしたり、一緒に遊んだりすることを表します。この表現は、10代や20代の若者が使うイメージがあるため、一般的には“hang out”や“spend time with someone”の方が使われます。
- Let’s kick it tonight.
(今夜遊ぼうよ) - I kicked it with Tony yesterday.
(昨日トニーと遊びました) - I had a lot of fun tonight. Let’s kick it again.
(今日はホントに楽しかったよ。また遊ぼう)
7. “kick”を使ったネイティブ表現⑦:Kick around an idea(アイデアを検討する) (7:16)
“kick around an idea”は「アイデアを蹴り合う」こと、つまり、アイデアについて誰かと一緒に話し合ったり、議論したり、提案し合ったりすることを意味します。しかし、会議やミーティングなどを開いてフォーマルな場で話し合うのではなく、友人や同僚とコーヒーを飲みながらカジュアルなセッティングで話し合う状況で使われます。この表現は、友人同士のカジュアルな会話だけでなく、ビジネスシーンでも使えます。
- Let’s kick around that idea.
(あのアイデアについて話し合おう) - My wife and I are kicking around the idea of moving to Japan next year.
(私たち夫婦は来年日本に引っ越しをしようか話し合っています)
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