年齢や地位が自分よりも上の人、入社時期が自分よりも早い人を「先輩」、そしてその逆を「後輩」と言いますが、英語ではどのように表現するのでしょうか?今回は、日本で暮らしているネイティブ講師のDana先生に、日本の「先輩・後輩文化」について色々質問してみようと思います。
1. 「先輩」「硬派」は英語でなんて言うの? (0:23)
Jun:例えば、「会社の先輩のヒロさんと食事にいきました」と英語で表現する場合、どんな風に言いますか?
Dana先生:アメリカ人に対して説明する時は、“I grab some lunch with my colleague Hiro.”のように表現します。私は人をランク付けすることが嫌いなので、基本的には同僚と呼びます。
2. アメリカに「先輩」「後輩」は存在する? (01:33)
Dana先生:例えば、仕事などで質問やアドバイスを求める時は、もちろん自分よりも経験豊かな同僚の元へ行きます。しかし、自分よりも先輩だから、または経験値が高いからという理由で言葉遣いを変えたり、気を遣ったりすることはありません。私は同僚の前では先輩、後輩関係なく振舞うので、年齢も関係ありません。
Jun:「先輩」を“senior”や“senior colleague”のように表現するケースをよく見かけますが、“He is my senior, Hiro.”のような言い方はどうでしょうか?
Dana先生:私はそのような言い方はしませんね…。どうしても「先輩」「後輩」を区別したいのであれば、“Hiro is my senior colleague.”のように表現することはあります。
Jun:なるほど。日本では学生時代も「先輩」「後輩」が使われますが、学校を卒業してしばらく経っても、学生時代に先輩だった人のことは必ず「先輩」と呼びます。しかし、アメリカ人の僕にとっては、年齢に関係なく「友達」なんです。
Dana先生:正直言って、私は人の年齢を気にしないので、相手の年齢を忘れてしまうんですよね。
Jun:英語の場合は、「先輩」「後輩」という言葉を使わずに名前で呼ぶ方が一般的なんでしょうか?
Dana先生:そのほうが友達になりやすいと思います。常に役職名などで呼んでいると相手との壁や距離を感じてしまいます。そのため、私は相手を名前で呼んだり、会社の場合は“my coworker(同僚)”と呼んだりします。
3. 「後輩」を英語にするなら? (04:19)
Dana先生:会社であれば“junior colleague”のような表現が使えると思います。学校で自分よりも下の学年の人たちを呼ぶ場合は、何て呼べばいいんでしょうか?「後輩」のことを“sister”や“little sis”と呼んでいる人を見たことがありますが、私は使いません。いつも名前で呼びます。
Jun:英語の“sister”と“brother”はとても面白い表現ですよね。僕の友人の中にも、特に仲の良い友人のことを“brother”と呼ぶ人がいますが、Danaさんは自分の女友達のことを“sister”と呼んだりしますか?
Dana先生:少し複雑ですが、その呼び方はアフリカン・アメリカンの人たちが使う英語なので、私は使いません。
4. アメリカ人に「先輩」の概念を説明できる? (06:04)
Jun:「先輩・後輩文化」を知らないアメリカ人に「先輩」「後輩」について説明するとしたら、どんな風に説明しますか?
Dana先生:「先輩」「後輩」はある種日本社会のランキングのようなもので、日本人は自分よりも高い階層の相手に敬意を払わなければいけません。自分よりも年上の人のことは「先輩」と呼び、たとえ自分よりも年下であっても、同じ勤務先で先に入社している経験豊富な人であれば「先輩」と呼びます。「先輩」には丁寧な言葉を遣い、礼儀正しく接しなければなりません。
一方で「後輩」は、自分よりも後から会社に入ってきた人なので丁寧な言葉を遣う必要はなく、後輩の前ではリラックスして過ごしても大丈夫です。
5. 日本の『先輩・後輩文化』を正直どう思う? (07:34)
Jun:「先輩・後輩文化」がないアメリカで生まれ育ったDanaさんは、日本の「先輩・後輩文化」をどう思いますか?
Dana先生:正直に言いますが、私はあまりいい文化だとは思っていませんし、最近の若い人の中にはこの考えに賛同する人も多いと思います。ストレスなく生きていくには、年齢や役職に関係なくフラットに人と接することができる方がいいのかなと思います。そうすることで、コミュニケーションも取りやすくなる気がします。
Jun:なるほど。要するに「先輩」「後輩」の関係があると気を遣わないといけないということですね。日本人はまず最初に、初めて会った相手が自分よりも年上なのか、年下なのかを判断して、それに応じて話し方も変化させないといけません。その習慣がストレスにつながるのかもしれませんね。
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