
英語で会話やメールをするとき、名詞の直前にくる冠詞が「a」なのか「an」、それとも「the」なのか迷う方も多いのではないでしょうか。実際のところ、ネイティブも間違えることがあり、慣れるまでは大変かとは思いますが、今日はなるべく分かり易く「a/an」と「the」の使い分けについてご説明しようと思います。
「a/an」の使い方
1) 不特定名詞
“a/an”は数えられる単数名詞に用いられ、(ある一つの)人や物、場所を表す時に使われます。例えば「I went to a park yesterday.(昨日、公園へ行きました)」は、具体的に特定の公園を示しているのではなく、単に公園に行ったことを表し、聞き手もどの公園に行ったかは分かりません。
- 基本的に子音(c, d, f, g…等)の前は“a”、母音(a, e, i, o, u)の前は“an”になりますが、「a university」「a unique」「an hour」「an honor」のように、必ずしも単語の頭文字によって使い分けが出来るわけではありません。子音と母音のそれぞれの「音」を基準にするようにしましょう。
2) 人、物、場所について初めて話題にする時
会話やメールにおいて、何かの物事や自分のアイデアを初めて人に紹介する時にも“a/an”が使われます。例えば「I have a cat.(私は猫を飼っています)」は、相手に新しい情報を紹介することになります。もし、「I have the cat.」と言うと「あの猫、飼って(預かって)いるよ」というニュアンスになり、相手は「どの猫?」と混乱をするでしょう。
・I’m going to a concert tonight.(今夜コンサートへ行きます。)
・I bought a brand new car.(新車を購入しました。)
3) その他
その他、以下の単語と一緒に組み合わせて使われます。
- 職業:a teacher, a doctor, an engineer
- 数量:a little, a couple of, a few, a pair of
- What a _____:What a nice day! / What an awesome book! / What a shame!
・I’m a little tired.(ちょっと疲れています。)
・What an amazing movie!(素晴らしい映画ですね。)
「the」の使い方
1) 特定できる名詞
“the”は数えられる名詞、数えられない名詞、単数形と複数形、全てにおいて使われ、話し手と聞き手がお互いに話の内容が分かっている時に使われます。例えば、「I went to the park yesterday.」と友達に言った場合、その友達は具体的にどの公園に行ったかが分かります。(友達がオススメした公園や、事前に友達にどの公園に行くかを伝えてある理由などから。)
2) 人、物、場所についての話題を2度目以降に話す時
会話や文章で初めて紹介する物事の場合は、“a/an”が使われると上記で説明しましたが、2回目以降は“the”を使って表します。例えば「I have a cat. The cat is 3 years old.(私は猫を飼っています。その猫は3歳です。)」のように、紹介した後は、聞き手もどの猫について話しているのか認識しているので“the”が使用されます。
・I’m going to a concert tonight. Do you want to come to the concert with me?(今晩コンサートへ行きます。一緒にコンサートへ行きませんか?)
・I bought a brand new car. I got a really good deal on the car.(新車を購入しました。かなりお得な値段で購入しました。)
3) その他
その他、以下の単語と一緒に組み合わせて使われます。
- 海、湾、川、砂漠の名称:The Pacific Ocean, The Gulf of Mexico, The Mississippi River, The Sahara
- ホテル、博物館、美術館の名前:The Hilton, The Hiroshima Peace Memorial Museum
- (世界に)一つしかない物:The sun, the moon, The president(大統領はその国に一人しかいない、社長もその会社に一人しかいない)
- 最上級:The biggest, the richest, the oldest
・I’m staying at the Hilton.(私はヒルトンに泊まっています。)
・Who is the oldest person in the world?(世界最年長者は誰ですか?)
Advertisement
淳さん、はじめまして!
今日初めてサイトに出会って読ませていただき、目からウロコがたくさん!とても勉強になりました。
今、agree with s.b. on THE point と on THAT point のニュアンスの違いを調べていて、色々読んでみたもののピンとくる答えが見つからず、そんな最中にこちらにたどり着いたのです。もしよろしければ教えていただけませんか?よろしくお願いします!
こんにちは。英語の勉強に役立っているようで良かったです!さて、「The point」と「That point」は基本的同じ意味合いを持ちますが、「The point」を使う場合は、同意するポイントを具体的に述べることが一般的です。「〜の点に同意する」→「I agree with s.b. on the point that _______」という具合になります。「That point」は「その点に同意する」になるのでポイントを説明する必要はありません。
ご説明いただきありがとうございます!
日本語の「それ」=”the” というように単純にいかないのですね。。”the”は相手と自分が同じものを認識できるときに使えると思っていたのですが…(;´Д`)まだまだ勉強せねば!また質問させていただきます。よろしくお願いします
コラムでもyoutubeでも教材でも結構ですが日本人の以下の弱点の克服の仕方を教えて下さい。
複数形で表現すべき文章は大抵、単数扱いで書いてしまう。
名詞が加算名詞か不可算名詞かを区別していない。
いわんや不加算名詞に敢えて(s)をつけて複数表現し、
特別な意味を表現するなどはもっての他である。
Masaさん
ご提案ありがとうございます!参考にします。
[…] 日本人を悩ませる冠詞(a/an/the)の使い分け […]
Junさん、はじめまして。いつも楽しく参考になるコンテンツをありがとうございます。
一般的に空港には冠詞が付くと習いましたが(at the airport~のように)、地名や固有名詞がついた空港は冠詞がつかないと理解してきました。(ex: Narita airport)
ですが、最近 at the Narita airport, at the JFK airportなどという表記を目にすることが何度かあります。
どちらかが正しいのでしょうか。もしくは、ニュアンスの違いなどがあるのでしょうか?
考えているうちに混乱してきてしまいました(汗)
お教えいただけますと大変ありがたいです。
いかさん
こんにちは!私も固有名詞がついた空港は冠詞 “the”を付けないと教わってきました。というか、「the LAX airport」や「the Narita airport」は違和感があります。しかし、調べてみたとこ、いかさんが指摘されたように”the”が含まれる例外のケースもあるようです。しかし感覚的には、やっぱり固有名詞がついた空港は”the”がないほうがナチュラルに感じます。
はじめまして。いろいろと検索していてたどり着きました。aとtheの使い分け、とても良くわかりました!感謝です!
ここを読んでも引っかかっていることがあるので、質問させてください。
関係代名詞(主格)なのですが
マリはそのケーキを作った女の子です。
Mari is a girl. She made the cake.
Mari is the girl who made the cake.
となるのですが、先行詞のgirlの冠詞がaからtheに変わっています。
マリはそのケーキを作った生徒です。
Mari is a student. She made the cake.
Mari is a student who made the cake.
となると、とくにa→theとはならないようです。
一般的な限定のtheという解釈では、下の場合も「ケーキを作った特定の生徒」と言えなくもないと思うのです。
このa、theの判断はルールがありますか?
なごみさん
こんにちは。”the”を使う時には特定された状況になります。例えば、友達と会話をしていて、「まりさんって誰だっけ?」と聞かれた際、「Mari is the girl/student who made the cake.(マリはケーキを作った子だよ)」と、ここでは”a”ではなく、”the”を使うのが適切でしょう。
いつも勉強させていただいています。ありがとうございます。
冠詞でいつも悩むのが、お店の名前とかにはaとかつけますか?
例えば、i went to an EAON yesterday.
I went to the Apita last night.
それとも冠詞なしで、i went to Itoyokado.とかになるのでしょうか?
のざきさん
こんにちは。お店の名前の前には、”a”や”the”はつきません。”I went to AEON last night.” / “I went to Apita last night.” “I went to Itoyokado.”になります。
ありがとうございます。ずっと悩んでいたので、スッキリしました。
Junさん、こんにちは。いつも様々な内容の記事や動画やメルマガが大変参考になり、感謝しております。
さて、aとtheの使い分けにつきまして、例えば、会話でレストラン名が初めて出てくる場合で、聞き手もどのレストランか分かっているか定かでない場合に、「XXXというレストランへ行った」の言い方はどちらになりますでしょうか。
I went to a restaurant ‘XXX’.
or
I went to the restaurant ‘XXX’.
確か、「○○という映画を見た」と言う場合は会話で初めて出る場合でも、
I went to see the movie ‘XXX’.
のようにtheを最初に付ける、と習った気がするのですが、色々調べてみても分かりませんでした。
よろしければ、ご教示のほどよろしくお願いいたします。
まなっちさん
こんにちは。Hapa英会話で学習していただき、ありがとうございます!
レストラン名の場合、「a」と「the」は必要なく、そのままレストラン名を言います。例えば、「デニーズへ行きました」は「I went to Denny’s」になります。もし、「〜というレストランに行きました」は「I went to a restaurant called Denny’s」のように「a」が用いられます。
Junさん、早速ご教示ありがとうございました。
なるほど、aを用いて、calledを使用するのですね。助かりました。
ところで、Junさんの提供される内容は、苦労せずにすんなり覚えられるんですよね。そこが不思議な魅力でして、メルマガの勉強等も続けられる要因です。それでは、これからもよろしくお願いいたします!
こんにちは。a と the の使い分けについていつも悩むのでとても勉強になりました。
ありがとうございます。
ただ、まだはっきりと分からないことがあるので教えてください。
一般的な「人の心」を表すときに “human mind” を使う場合、必ず the を付けた方がいいのでしょうか?
一般的な「人の心」といったら、私たちが持っている「あの」心、と特定できるのかなと思いました。
また、例文を検索しても the が付いているものしか見つかりませんでした。
よろしくお願いいたします。
Iriさん
こんにちは。確かに「human mind」と言う表現は「the human mind」と表すのが一般的です。あくまでも想定ですが、「the human mind」は特別なものと見なされているため、「the」が必ず付くのかもしれません。また、冠詞に関しては「例外」がたくさんあり、その場合は理屈で覚えるよりは、そのままの状態で覚えないといけません。
Junさん、お返事ありがとうございます。
なるほど、やはり一般的には the が付くのですね。
そして例外もあるのですね。
きちんと辞書などで調べることが大事ということでしょうか。
助かりました、ありがとうございました!
じ
とても詳しく、分かりやすいですね(⑅˃◡˂⑅)
いくつか質問させてもらいます((。´・ω・)。´_ _))
本の問題で、 Harishchandra was …………………. honest king.
とありましたが、a なんでしょうか、the なんでしょうか。
あと、a はあんまり詳しくないもので、the は具体的に書かれているもの、と学びましたが、それは本当なのですか?(´⊙ω⊙`≡´⊙ω⊙`)
また、本当であれば詳しく例と説明していただけませんか?( *・ω・)*_ _))ペコリン
りりなさん
こんにちは!ルール上では”a/an”は漠然としたことに対して、”the”は具体的なことに対して使われますが、冠詞の厄介な部分はその他にもルールがいっぱいあったり、例外がたくさんあります。私だったら、Harishchandra was “an” honest king. にするでしょう。基本、a+子音で始まる名詞、an+母音で始まる名詞」ですが、子音か母音かの区別はスペリングではなく発音によって判断されるます。よって、”honest”は母音の音で始まるため、”an honest”になります。
問題集の質問です
Mike is ( ) honest boy.の空欄補充問題で
a, an, theを選択する問題です。
答はanではなくtheでした。
積極的にtheにする理由は何でしょうか?
メルロさん
その質問は「an」でも正解です。「the」を使うと、話の聞き手がマイクのことを知っている意味合いが含まれ、「ほら、マイクはあの正直な男の子だよ」という感じになります。「Mike is an honest boy」は「マイクは正直な男の子です」になります。