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公開日2014.01.18

バイリンガルの壁

ここまで、幼少期から社会人になるまで経験してきた出来事と僕の思いを語ってきた。 コラムを書きながら、自らの心に深い郷愁を覚えさせられた。 ハーフの目を通して見る、アメリカと日本の文化。 今までアメリカと日本の文化で 「当たり前」 だと思われていた様々な日常習慣について、自己の視点を述べてきた。 しかし書き残したことが一つある。 ハーフとして育ったこと、二つの文化・言語で生まれ育つことに対しての思いだ。 アメリカと日本の文化に長年付き合ってきた僕の率直な気持ちをこのコラムでお伝えしよう。

ハーフには3種類のタイプがいる

ハーフだから全員同じとは限らない。 逆にハーフだからバックグラウンドがそれぞれ異なる。 どの国で育つのか、どのような教育を受けるのか、家庭ではどの文化が重視されるのかで性格から考え方まで大きく左右される。 いわゆる育ってきた 「環境」 でハーフは別れるのだ。 僕の周りにも多くのハーフの友達がいるが、全体的に3つのタイプに分かれることに気づいた。

  • 1) 片方の言語だけマスターしたハーフ
  • 2) 両言語マスターしたハーフ
  • 3) 両言語とも中途半端なハーフ

1) 片方の言語だけをマスターしたハーフ

子供のときから一つの言語、アメリカか日本だけの教育を受けてきたタイプだ。 アメリカの環境で育った場合は、幼稚園からアメリカの学校へ入学し、友達から教育まで全部英語だけで育つハーフのことだ。 僕の周りにはこのようなハーフの友達も何人かいる。 日本語はほぼ理解できない、多少聞き取りができる程度のレベルだ。 しかし、英語だけの環境で育ってきた彼らは日本語を話す必要性を感じていない。 なぜなら、自身を 「アメリカ人」 と感じているから。 アメリカの環境で育ってきたハーフは考え方も発想もアメリカ人なのだ。 このようなハーフの友達は勿論アメリカン。 日本人とはほとんど関わりがない。 言語が伝わらないのでコミュニケーションの問題もあるが、それ以上に文化的なギャップもあると思う。 アメリカ人として育ったので、アメリカ人の空間に居心地の良さを感じる。 そして、大人になると就職先は言語とは関係のない専門的な分野を選択することが多い。 興味ある分野を追求して、「アメリカ人」 として専門職をさがす。 このようなハーフは親が二世や三世が多く、子供の時から家庭内では英語だけで育ったケースが多い。

2) 両言語バイリンガルのハーフ

子供のときから両言語の教育をしっかりと受けてきたタイプ。 英語と日本語に力を入れてきた家庭の子供はほとんどバイリンガルに育つように思う。 平日は現地校に通い、週末は補習校で日本語を学習する方法もあれば、夏休みを利用して短期間子供を日本へ送るパターンもある。 教育方針は各家庭それぞれ異なってくるが共通点はやはり親がバイリンガルにさせたい気持ちにある。 親としても実はかなり大変。 精神的にも身体的にも、バイリンガルの子供を育てるには長年根気強い姿勢をもつ必要性がある。 2番目、3番目の子供が、長男や長女と比べて言語能力が低下していくのも、親がもう疲れ果てているからなのだろう (笑) バイリンガルで育ったハーフのほとんどは日本人の友達とアメリカ人の友達両方いることが多い。 また、日本とアメリカを頻繁に行き来する。 両方の言語を自由自在に操ることから自然と両方の文化に興味を示すのだ。 二つの文化につながりを持てる能力があるから両方の居場所が居心地がよく感じる。 アメリカ人の自分もいれば、日本人の自分もいる。 だから行ったり来たりすることでバランスをとるようにしているのだと思う。 就職先は言語を活かす職を選ぶ傾向がある。 バイリンガルにとって一番の武器は 「言語のギフト」  自分が得意とする武器を使うのは当たり前のことだろう。 またバイリンガルだから就職の選択肢が広がる… とよく言われている。 特に 「読み・書きを駆使している完全なバイリンガルはアメリカでも日本でも通用するんだ」 と。 しかし、バイリンガルの仕事とは一体何なのか? 言語の専門家でいうとやはり翻訳者、通訳者しか思いつかない。 バイリンガルハーフは全て翻訳者なのか? 僕が今まで出会ってきたプロの翻訳・通訳者は生粋の日本人かアメリカ人だ。 ハーフではない。 「言語のギフト」 が与えられること… 実はこれがバイリンガルが立ち向かわないといけない意外な壁なのだ。

3) 両言語が中途半端なハーフ

母語と呼べる言語がなく、ベースがはっきりしていないタイプだ。 親の仕事の関係で幼い頃から頻繁に日本から外国へ行ったり来たりする家庭にこのようなケースが目立つ。 数年間日本の学校に通い、途中でアメリカの学校に転校しこのパターンが繰り返されると言語は勿論中途半端になるが、自身の 「Identity」 までが分からなくなってしまう。 大人になると両言語でコミュニケーションはとれるが、プロフェッショナルの言語能力まではいかない。 「バイリンガル」 と同じように両言語が通じるから日本からアメリカに行き来することが多い。 根本的には 「バイリンガル」 と同じ 「壁」 にぶつかってしまうのだ。

バイリンガルの壁とは?

1番目に紹介した 【片方の言語だけマスターしたハーフ】 はひとつの文化で育つ為、これから説明する 「壁」 に立ち向かうことは少ないだろう。 では、バイリンガルの壁とは? 「優柔不断」 と 「Identity」 の問題だ。 二つの言語と文化を理解できると、自然と両方に興味を示すようになる。 上記でも述べたが、日本人といる居心地よさとアメリカ人といる居心地よさ両方を求めるようになる。 結果、アメリカと日本に行き来することが多くなり、最終的には自分自身が何をしたいのか、自分自身の居場所はどこなのかがはっきり分からなくなってしまうことが多い。

問題は選択肢が広すぎることだ。 就職先が決まっても満足いかなかったら転職しやすい。 極端にいえば日本やアメリカに戻る事だってできる。 気づいたら時間だけが経ち専門的な知識を得ず、途方に暮れている状態なのだ。 さらに、最近では二つ以上の言語を喋れる人が増えてきている。 会社側としてバイリンガルは 「プラス」 だが、今では求められている 「スキル」 がなければ雇われないのが現状だと思う。 「専門知識・スキル」 + 「バイリンガル」 になることが理想的なのだ。 バイリンガルであることは 「便利な道具」 として僕は考えている。 バイリンガルだから何でもできる? そんなことはない。 この壁を乗り換える為には自分自身に問わないといけない疑問、それは 「自分自身は何をしたいのか?」 なのだ。

Identityの問題はハーフであれば、誰でも一度は悩まされたことだろう。 僕はアメリカ人なのだろうか? 日本人なのか? 誰でも自分が属する 「グループ」 を求めているはずだ。 しかし、バイリンガルハーフの場合は両国に友達がいて、両国に居心地を感じているので自分自身がどっちの 「グループ」 なのかと混乱してしまうことがある。 両方のグループじゃいけないのか? と思う人もいるだろう。 自分自身も両方なんだ! と思った瞬間 「あ、こういうところで僕は日本人と考え方が違うんだなぁ」 「このように思わない僕はやっぱりアメリカ人じゃないんだなぁ」 と感じるハーフの不思議な気持ちが存在する。 多分、ハーフじゃないと実感できない 「独特な気持ち」 なんだろう。 日本人でもありアメリカ人でもある僕だが、両国を 「外から中」 を見ている自分がいることに気づく。

ここまで読んでもらったら、もしかしたらハーフの自分を嫌がっているんでは? と思ってしまうかも。 そんなことはない!! やはり、ハーフとしてバイリンガルとして一番の利点は両方の文化を理解できることなのだ。 そのお陰で日本とアメリカでかけがえのない人々との出会いに恵まれてきた。 日本でもアメリカでも問題なく社会に溶け込むことができ、どこへ行っても言語が共通してできるから暖かく受け入れてもらってきた。 日本にいれば、日本人の友達と共に笑うことができ、アメリカにいればアメリカ人の友達と笑うことができる。 些細なことだが、互いに 「笑い」 を共感できることは僕にとって一番の幸せであり、バイリンガルハーフとしてかけがえのない宝物だ。 選択肢が広すぎて自分自身も困った経験はしたが、今振り返ると贅沢な悩みなんだなぁと思える。 選択肢がないよりは選択肢が多いほうが絶対にいいし、そこから生まれる可能性と 「Opportunity」 は無限にある。 どの道を選ぶかは人それぞれなのだ。 多言語を理解できることは非常に便利なこと。 それ以上のものでもないし、それ以下のものでもない。 その 「便利な道具」 をどのようにして、自分らしく最大限に活かしていくのかが、ハーフの壁を乗り越える秘訣であると思う。 その壁を乗り越えることができれば自分だけでなく皆を幸せにする明るい未来が待っていると信じている。

    
            
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コメント

  1. Hezi より:

    はじめまして。
    大変興味深く拝見させて頂きました。

    日本育ちのハーフとして似たような体験やアイデンティティーの問題を経験しています。

    私の両親は淳さんの言う1のタイプで私を教育しましたが、結果として上記の3つに当てはまらない結果となったので私の経験を共有させて頂きます。

    結論から言うと、私は2のタイプからさらに派生して、バックグラウンド以外の言語も身につけ、第三国で経験を積み、世界どこでも通用する国際人というタイプになったと思います。

    日本で育ち、ハーフとして様々な困難がありましたが、持ち前の明るい性格で乗り越えてきました。しかし、中学生の頃、両国の文化の狭間で、自分のアイデンティティーに悩み、自分なりに出した結論は、私はハーフだから完璧にどちらの国に属することも、その国の人になることもできないなら、2つの国を超えて世界を渡り歩き通用するキャリアと人脈を作ろり、国際人になることを目指しました。アメリカ留学、ヨーロッパ・アジアでの海外就職を経て、日本とは関連のない会社且つ専門分野で、多国籍企業を対象に仕事をしています。世界に出ると様々なバックグラウンドを持ち、個人的にも魅力的な人がたくさん活躍しています。均一的な日本社会とは違い、世界ではバックグラウンドよりも個人の魅力が大事なことを学びました。

    旦那と私のバックグラウンドを含めると、私たちの子供は4カ国以上の文化の中で育ちます。子供には、バックグラウンドにこだわらず、個人として魅力的な人格とユニークな経験をするように薦めています。ハーフにとって日本社会で生活することは非常に苦しいと思いますが、ハーフの方には、日本人に完全に染まらず、是非とも自分の両バックグラウンドを尊重し、とても素敵な環境と才能に恵まれていること改めて認識して頂きたいです。

    • Jun より:

      Heziさん

      Thank you for your insightful comment!

      アイデンティティの問題はどのような環境で生まれ育ってもハーフが必ずぶつかる壁だと思っています。特に若い時は自分の居場所や「グループ」というものを求めてしまうと思うのですが、Heziさんのように世界に出て数多くの人と出会い、様々な文化に触れ合うことによって、人種や国籍でなく個人の魅力が最も重要であることに気づくと思います。

      ハーフにしか体験できない貴重なバックグラウンドがあり、またそのような恵まれた環境で育つからユニークな考え方や視点を持つ事ができると思います。自分が持っている才能を最大限に活かすことですね。Heziさんのコメントには本当に共感できました。ありがとうございます。

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