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【1日1フーレズ英語】無料メールマガジン

公開日2013.03.01

教育の違いは先生の質問の仕方にある

小学校、中学校、高校そして大学。 両国それぞれの教育システムを自ら体験できる環境に恵まれた。 プロフィールにも述べてあるが、小学校4年生から高校卒業するまではアメリカの現地校がベース。 アメリカンスクールに通いながら、中学は土曜日に日本語学校、高校は短期留学で1週間千葉県の柏高校へ (わずか一週間でしたが、これも学校体験ができたこととして含めちゃいました、笑)。 大学は1年間一橋大学へ交換留学。 さらに、石川県では 「国際交流員」 として 「文化」 の授業を教えに小学校・中学校を定期的に訪問。 「生徒」の立場からだけでなく 「先生」 の視点からも教育に対するアプローチの相違を肌で感じることができた。

今回のコラムはアメリカと日本の初等教育~中等教育の関係を追及していきたい。 二つの教育を比較すれば、数え切れないほどの違いをリストアップすることができるが、そこに焦点を絞るのではなく、それが一体どのような意味を持つのかを一緒に考慮してほしい。

【アメリカ教育】 プレゼンの訓練で始まる

アメリカン幼稚園に通った子供だったら誰でも覚えている、「Show and Tell」 (見せて話す)。 自慢の玩具を学校に持参しクラス全員の前で発表。 表現力と自分の考えを伝える重要な教授法。 人前で話し、議論やディベートすることを重視するアメリカの社会では、この授業方法がアメリカの教育システムに大きく影響していると思う。 自分の意思をはっきりと伝える練習の始まりでもあるが、一人一人の個性を引き出す重要な役割も果たしている。 人形を持ってくる子供もいれば、本を持ってくる生徒もいるし、サッカーボールを持ってくる生徒もいる。 どんなアイテムであっても、自分が好きなモノを発表しているため、自信を持ってみんなの前で発言できる。 このような訓練を幼稚園から行うことにより、人前で話す力をつける → 自信をつける → 個性を引き出す 教育が始まる。

【日本教育】 起立、気をつけ、礼、着席!で始まる

上記のタイトルを読んで懐かしい~と思った人少なくないのではないでしょうか? 私も石川県で小学校を訪問した初日 (ちなみに元気いっぱいの3年生でした) 授業のチャイムが鳴ったその瞬間、「起立」 の合図でクラス全員が一斉に立ち上がる姿を郷愁に満ちた目で見ながら、自分の小学校時代が一瞬で戻ってきました。 子供のときは、何も考えずに行っていた慣例の授業開始前の挨拶。 しかし、国際交流担当の先生として小学校に戻ったこの日は、日本教育のあることに気付いた。 それは、日本教育は 「ルールを守る・規律に従う」 ことを子供のときから頭に叩き込んでいることだ。 ランドセルを背負う、制服・格好の決まり (髪型・髪色の厳密な規則)、給食後の歯磨き、挨拶は必ずするなど、日本の学校はアメリカと比べてルールが断トツに多い! 小学校訪問をしていたある日、こんな出来事があった。 給食の時間に子供たちと一緒にお昼ご飯を食べていた。 僕が牛乳が苦手だと知っていた男の子が、「牛乳を飲んでいい?」 と聞いてきた。 僕が返事をしようとしたその瞬間、隣りに座っていた女子生徒に 「牛乳は一人一個でしょ。ダメだよ」と注意された (笑)。 僕にとって、とても印象に残るエピソードだった。 日本の子供は与えられたルールを厳密に守る。 「ルールを守る」 教育。。。これは一体どういう意味を持つのか? グループを組むときに効率よく機能することである。 「集団の国」 と昔から言われている日本は、国民が規則にきちんと従うからこそ成り立っているのだと思う。 「ルールを守る教育」 が 「集団意識を高める」 ことに繋がっているのではないだろうか。

「答えはなんですか」 ではなく、「あなたはどう思いますか?」

小学校低学年を終える頃には、生徒に投げかける質問が 「正しい答えは何ですか?」 から 「なぜあなたはそう思うのですか?」 に変化する。 アメリカ教育の最大のポイントでもある。 「Text based」 の質問が徐々に減り、「Critical Analysis」 の質問が増えていく。 「Text based」 の質問は、「主人公の名前はなんですか?」 「主人公はどこで生まれましたか?」 等、教材に書かれていることを暗記して答えるタイプの質問。 この場合、正しい解答は一つしかない。 その反面、「Critical Analysis」 は 「なぜ主人公はこのような行動をとったと思いますか?」 「あなたが主人公だったらどのような行動をとりますか?」 と生徒一人一人の考えが求められる質問を問われる。 このような質問は 「正しい」 答えがあるのではなく、与えられた情報を基にどれだけ明確に考えをまとめて伝えることができるかが重視される。 アメリカンスクールでは 「レポート」 の宿題が多いのも、ある課題について自分で調べることにより、「考える力」 と 「応用力」 を身に付けさせる教育法だからである。

日本はどちらかというと、暗記教育中心だと思う。 受験で進学するシステムだとこれはしょうがないのかもしれない。 日本人はクラスであまり発言はしないと言われているが、私が訪問した学校では、先生は子供たちが積極的に発言できるように授業を進めていた。 ただ、ここで気づいたこと。 みんなの意見や感想が似ていたことだった。 僕はよくアメリカの小学校のことについて、日本の子供たちに語っていたが、レッスン後の感想は大概こんな感じだった。 「アメリカの夏休みが長いことを知って勉強になりました」 と実際に僕が伝えた情報を繰り返すだけの感想だ。 それに対してどう思うか、なぜアメリカはそうなのかと疑問に思うような質問がなかった。

日本学校には存在しない、「カウンセラー」の役割

アメリカンスクールには大抵どの学校でも、「カウンセラー」 という先生がいる。 果たしてこのカウンセラーとは一体何者? 実は多くの役割を果たす重要な存在。 アメリカンスクールでは学年が上がるにつれ、生徒が受講する授業が一人一人異なってくる (特に中学校から)。 外国語から美術、音楽の授業から先生・教員室のアシスタントと選択できる科目が自由になっていくため、カウンセラーがどの科目が生徒にとって最適なのかをアドバイスしてくれる。 高校ではさらに細分化され、全教科 (国語、数学、理科、社会) が 「Regular」 「Honor」 「Advanced Placement (AP)」 クラスに分けられ、学年事ではなく、生徒のレベル・能力によって、カウンセラーが判断を下す。 つまり、カウンセラーは各生徒の得意分野を分析し、その能力を伸ばすことに責任がある。

しかし、カウンセラーはこれ以上にもっと重要な役割がある。 それは、生徒の 「精神的な病」 を治していくこと。 「精神的な病」 だとちょっと言いすぎかもしれないが、そんな生徒には、成績が悪い子供から学校生活に馴染めない子供、また家庭事情が複雑な (離婚など) 子供が含まれる。 実はここでの 「カウンセラー」 のとる行為はアメリカの教育を反映している場だと考える。 なぜなら、このような生徒は 「自尊心・Self Esteem」 が低いから学校生活に馴染めていない、成績が悪いと判断されるからだ。 アメリカの教育では、高い 「自尊心」 を持つことは勉強意欲に繋がるとされ、生徒の良いポイントをとにかく褒めていく。 従って、カウンセラーは学校で困っている子供たちの 「マイナス面」 を改善していくのではなく、その生徒にしかない個性的な 「プラス面」 を褒め続け、自分自身に対する高い評価を持たせる。 自己評価が高ければ高いほど、精神的に健康だとみなされる。 また、犯罪者から結婚生活が不安定なカップルまで 「自尊心」 が低いから問題があると考えられ、「カウンセリング」 を受けるのはアメリカ独特の治療法なのだ。

日本学校の掃除時間はすばらしい

石川県で学校訪問をするようになり、日本の学生は自分たちの学校を自分たちで掃除をすることを知った。 なんて素晴らしいシステムなんだろう。 そして、今すぐにでもアメリカの学校にこの習慣を真似してほしい。 アメリカの学校では 「Janitor」 という掃除担当の人を雇う。 子供たちには掃除をする責任はまったくない。 そのせいで、生徒は平気でごみを校内に捨ててしまう。 日本の学校では掃除の時間だけでなく、当番制があることにも気が付いた。 給食もそうだし、授業が終わってからの黒板消しもそうだ。 一つの出来事をみんなで役割分担することにより、チームワークが生まれる。 誰か怠けていると、周りから注意され、みんなのために自分が頑張らないといけない。 協調性を教える重要な授業の一つであると思う。

褒められて伸びるアメリカ人、叱られて伸びる日本人

子供のときから、自己評価を高める教育を受けてきたアメリカ人は、やはり褒めて伸びるタイプだと思う。 「あなたはこれができない」 と弱点を指すより 「あなたはこれが優れている」 と得意分野を褒めていったほうが仕事に励むし、また肯定的な発言のほうをアメリカ人は信じる。 その反面、日本人は常に自己の短所を意識し、欠けている部分を周りから注意されたほうが伸びると思う。 というか、褒められるのが苦手であると言っていいくらいだろう。 とても不思議な現象だ。 しかし、両国の文化を比較するとこのように極端に教育法 (子育て法) が分かれてしまうのは当然なのかもしれない。 「個性」 を生かすアメリカは、子供の時期から 「他の子供とは違う」 ことを教育され、自分自身の欠点を克服するより、得意とするものに対して優先的に取り組む。 自分が得意とする能力は伸びていくが、それと共に視野も狭くなっていくだろう。 また、このシステムだと自主性を尊重するため 「できないこと、したくないこと」 は無理にさせないことから、「できない人」 はどんどん置いていかれる。 従って、なぜアメリカが実力中心主義の社会になったかが納得できる。

「ルールを守る」 教育から入る日本教育はグループ意識が高まり、自主性ではなく協調性を大事にする。 教育も文部科学省が全国をコントロールしているため、どの地域に住んでいても、生徒は同じ教材を使用し、同じ教育を受けることができる。 平均教育水準が世界的にも評価されている日本は、全体的にみんな高い知識を持っているが、みんな同じように教育されるため、創造性が欠けてしまう。 ただし、同じ考え方、風習、価値観を持っている日本人は互いに言葉で意見主張をしなくても言いたいことが分かる。 グループ・チームを形成する最も重要なポイントだろう。

極端に教育が違う二つの国を足して2で割った教育ができれば最適なのではないか。 初等教育は日本の教育法を取り入れ、知識、グループ意識を持てる子供を育てる。 中等教育からは個性を引き出す、アメリカ教育。 相手のことを考える精神を持たせながら、個性を活かすことは不可能であろうか。 ある意味矛盾しているようにも思えるが、グローバル化が進む今、世界が一つのグループとして機能する必要があり、また一人一人が自らの考えを持てる人間になって行くことが不可欠ではないのだろうか。

    
            
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コメント

  1. Maimi より:

    最近英語のことをgoogleで調べると、よくHapaさんにヒットします。初めてこちらを知ったのも「I got it. You got it」を調べたときでした。 今回は「英語 一斉あいさつ」でこちらのページへ。最近こども英語教室を始めようと勉強中で、私自身はアメリカで中、高と過ごしたこともあり、日米の教育について思いをめぐらせることも多くなりました。特にアメリカの初等教育についてとても興味があります。当時小学生だった妹に聞いてみても、隣の子にご褒美でもらったhershey’sチョコを取られたこと以外、全然覚えていないそうで…。
    とにかく、とても興味のあるトピックばかりです。ありがとうございます。

  2. maple より:

    双方の教育を経験されたJun さんならではの深い分析と具体的な考察ですね。最後の結論に私も大いに同意いたします。

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