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公開日2013.12.13

日本の対極にあるアメリカの仕事観

交換留学生として短い日本滞在を味わった後、僕はアメリカへ帰国し残り1年の大学生活を終えた。 卒業後、会計士としてキャリアを積んでいくはずだったが、日本の経験があまりにも刺激的で一年の留学生活では物足りさを感じていた。 4年間大学で専攻としてきた会計は一旦ホールドし、日本で就職することに決めた。 僕は石川県内灘町役場の国際交流員として採用され、今度は社会人として日本へ出向いた。 内灘役場の一員として2年間、日本人が仕事に対する価値観、姿勢、考え方、いわゆる日本の仕事文化を肌で感じることができた。 朝一の朝礼から広い部屋に机がズラッと並んでいるオフィスの空間、職場での人間関係から社交辞令などアメリカでしか仕事をしたことがない僕にとって毎日が新鮮で、毎日のように仕事文化の違いを感じさせられた。 今回のコラムはこの経験を通して感じた日米の 「仕事観」 について紹介をしたいと思う。

アメリカ人と仕事をしたことがあれば、彼らの 「仕事観」 について疑問に思ったことがあるのではないだろうか。 「なぜアメリカ人は与えられた仕事が終わっていなくても時間通りに帰るのか?」 「なぜ仕事よりも休暇を重視するのか」 など今まで当たり前だと思っていた仕事の基準が試される。 日本人とアメリカ人は仕事に対する考え方と姿勢が明らかに違う。 いや、率直な気持ち、アメリカ人と日本人の仕事観は対象的であると思う。 勿論、会社により仕事に対する方針は異なるが、以下で述べる相違点は自分が経験した出来事。 そして、どちらの考えが正しいのか、間違っていることに焦点を絞るのではなく仕事文化の違いを理解してもらいたい。

日本とアメリカの仕事観の違いをテーマに分けてリストアップしてみた。

アメリカ

日本

勤務時間・残業

仕事が残っていても時間通りに帰る

仕事が残っていたら終わるまで帰らない

上司が残業していても、時間通りに帰る

上司が残業していたら、上司が帰るまで帰らない

残業は報酬がでればするが勤務時間内に仕事が終わらない場合は残業する前に上司と相談する

サービス残業は仕事の一部。 時間内に仕事が終わらない場合は残業して終わらせる

仕事の姿勢・態度

「とりあえず試してみよう」 という考えから決断が早い

「慎重に物事を考えよう」 という考えから決断が遅い

積極的に自分がしたい仕事を上司に提案する

指示された仕事をする

自ら 「欲しいもの」 を要求する

「努力」 を重ねて自分が 「欲しいもの」 は上司から与えられることを期待する

自分がした事、達成した出来事を同僚や上司にアピールする

口でアピールでなく、行動でアピール。 自己達成は言わない

人間関係

上下関係が目立たない

上下関係が重視される

上司が絶対ではない。
納得いかない場合は自分の意見を伝える

上司は絶対。
指示されたことは言われたとおりにする

一緒に仕事が出来るパートナー、出来ないパートナーは事前にはっきり上司に伝える

社員は皆仲間。 共に良い関係を築く為に、パートナーの選択権はない

給料・昇進

給料を上げて欲しい場合は自ら交渉

給料はマネージメントが決めること。
自分からは言わない

昇進要求は自から交渉

昇進はマネージメントが決めること。
自分からは言わない

仕事と生活

仕事と生活をはっきり分けている

仕事は生活の一部

仕事よりも家族を優先する人が多い

家族よりも仕事を優先する人が多い

アメリカの仕事文化、日本の仕事文化

どっちが正しいと言っている訳ではない。 ただ、仕事に対する考え方と姿勢が正反対であることは否定できない。 日本人は仕事に対して、非常に勤勉で責任感が強い。 自分に与えられた仕事はどれだけ時間がかかったとしても (残業や週末労働を含め) 文句を言わずに責任を持って成し遂げる。 そして、上司から指示されたことに従うこと、与えられた仕事をすることに抵抗感がないのは上下関係の社会であるからだ。 「石の上にも三年」 という日本のことわざがあるが日本の仕事文化を鮮明に反映している表現だと思う。 留学しているときも、生徒さんからも石川県の同僚からも一度は聞いたことのあることわざだ。 どんなに辛くても、どんなに大変でも我慢したらいつかその努力は報われる。 これこそが日本人が一生懸命仕事に励む理由なのではないか。 毎日頑張って仕事をし、努力を積み重ねていけばいずれ結果として残る。 その成果と頑張りどころは上司が気づいてくれる。 気づいてもらえることを期待している。 言葉ではなく、行動が尊重される日本文化だから自分がしたい作業、自分の要望を主張してもそれは伝わらないのではないか。 また、上司が帰らないと帰れないのも上下関係以上に、一生懸命頑張っているアピールを行動で表しているように思える。 「教育の違いは先生の質問の仕方にある」 コラムでも述べたが、「ルールを守る」 社会だからこそ組織が上手く機能している。 日本の仕事文化では 「ルールを守る」 必要性がある。

アメリカの仕事文化は 「You want it, You go get it. 」 の概念で成り立っていると思う。 どういうことか? 直訳すると 「欲しければ、自から取りにいけ」 を意味する。 もう分かっていると思うがアメリカ社会は主張したもの勝ち。 発言することが重視され、「有言実行」 するものがトップに立つ。 自己主張が尊重されるから上司から指示が出されたときでも、自分の意見を伝えることができる。 給料や昇進の交渉、自分自身が行いたいプロジェクトなど積極的にマネージメントに相談をする。 このような出来事は毎日のようにアメリカの会社で行われている。 プライベートで行われているから普段聞かないだけだ。 積極性がないとどうなるのか? 結局マネージメントは主張しない人は今の状況で 「満足」 していると解釈する。 残業や労働量に関しても主張をしない限り、減ることはないだろう。 マネージメントは勝手にその状況で文句がないと思っているからだ。 「石の上にも三年」 という概念で仕事をしていると、どんどん置いていかれてしまうのが現実なのだ。 じっと我慢して待っている間に、アグレッシブな社員に自分が 「欲しいもの」 を奪われてしまっている。 しかし、主張をするということはそれだけの結果も出さないといけない。 結局は 「有言実行」、成果として残らなければ意味がない。

家族もちのアメリカ人は必ず仕事よりも家族を優先する。 仕事は生活の一部と考えてはいるが、生活そのものとは考えていない。 はっきりと切り離している。 仕事の量が原因で家族と過ごす時間が削減されてしまう場合は、与えられた仕事を断ることも珍しくない。 この場合マネージメントに相談をするだろう。 自らできることも出来ないこともはっきりと主張するのがアメリカの仕事の文化だ。

グローバルな仕事観

冒頭でも述べたように、どちらの仕事の方針が正しいかが重要ではない。 日本の会社で仕事をする場合は、日本の仕事観念を尊重するべきだし、アメリカの会社であればアメリカの仕事観念に従うべきだ。 しかし、二つの仕事文化が混ざり合った場合、仕事観念の違いを互いに理解することが肝要になってくる。 違いを理解することができれば、コミュニケーションもとりやすくなり、社員の摩擦が軽減される。 そして、そこからアメリカの仕事文化でもなく日本仕事の文化でもなく、新たなグローバルの仕事文化が誕生するのではないか。 まずは、人を理解しようとする心掛けがグローバル仕事観念への重要な第一歩なのだ。

    
            
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