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公開日2013.07.12

「家族の為に残業する日本人パパ」 「家族の為に帰宅するアメリカンパパ」

時計が午後5時ちょうどを指すと、荷物をサッと片付け始め、パソコンの電源を切り数分以内には 「See you tomorrow!」 と堂々とした口調でオフィスの出口へ向かうアメリカ人社員。 現地で採用されている駐在員だったら誰でも当初唖然とされてしまうこの習慣は、羨ましい気持ちを抱きながら納得いかない複雑な心境を抱えているのではないか。 特にその日の仕事が終わってもいないのに、すんなりと帰宅できるアメリカ人社員に対して不思議に思うことだろう。 その反面、夜遅い時間まで残業をする日本人を見るアメリカ人は 「何故そんな時間まで残業するのか」 と疑問に思い仕事の要領の悪さが原因だと指摘するアメリカ人も少なくないだろう。 このように、仕事に対する考え方が異なることにより組織にギャップが生じてしまうのも当然の話。 日米 「働く概念」 について様々な相違点があると思うが今回のコラムでは 「家族」 に焦点を絞っていきたいと思う。

アメリカの父親は積極的に子育てに協力しているといわれている。 育児の面倒から子供の送り迎えや授業参観に出たり、日本では見られない場で父親が顔を出している。 仕事を定時に終わらせるのもやはり家族の時間を大事にするためなのだ。 仕事の時間とプライベートの時間をはっきりと区別することで、家庭の安定を保つ。 父親が示す家族に対する愛情とは家族と時間を過ごすことなのだ。 家族の時間よりも仕事を優先してしまう父親は、夫婦関係が不安定になってしまう傾向があり最終的には離婚という結果になってしまうのが現状だ。 従って、どんなに忙しくても定時に帰宅できる大きな理由は 「家族」 にあるのだ。

僕が日本で仕事をしている時に、あることに気づいた。 上司が帰らないと部下は帰らない、いわゆる 「付き合い残業」 である。 特に入社して数年しか経っていない従業員は暗黙の了解でその日の仕事が終わっていたとしても、同僚が残っている限り帰宅できない。 「一生懸命仕事に従事している姿を上司にアピールする必要がある」 と日本人の友達が教えてくれた。 また、みんなが仕事で励んでいる中、自分だけ 「お先に」と抜けたくても抜けられないのも事実のようだ。 仕事が終わってからも、仕事後の付き合いが多いのは日本独特だと思う。 上司との関係を築き上げていく為にも、やはり接待は仕事の一部。 このような環境で仕事をしていると、帰宅時間が遅くなってしまうのも当然だ。 しかし、この仕事環境を理解できる奥様に凄さを感じる。 アメリカとの大きな違いはここにあると思う。 日本の奥様は旦那様が家族の為に夜遅くまで仕事をしていることを受け止めることができる。 父親が仕事で遅くまで頑張っていることが家族に対しての愛情であり、アメリカと日本の家族意識が大きく異なる部分だと思う。

問題は父親ではない、職場・社会にある

では、果たして日本人の父親は子育てに協力をしていないのだろうか? アメリカと比較すれば家事の手伝いや子育てをしている父親の人数は断然に少ないだろう。 しかし、子育てに協力をしたい父親は沢山いるに違いないし、自分の子供と過ごしたくない父親などいないと思う。 ある調査によると、父親の子育ての参加率は躊躇に上昇していないが、協力をしたいと思う意識は年々上っている。 問題は父親にあるのではなく、「職場環境」 と 「社会環境」にあると思う。 子育てに参加しやすい環境を会社として、社会として作り上げていく必要性がある。 現在、子育てのサポートをしたいと思っている父親が多いのだから、その意識を行動に変えていくことが重要である。

意識から行動に

未だに子育ては母親の役割、仕事は父親の役割として古い性別分業の風習が根付いている。 会社で休暇を取りやすい雰囲気を作り、子育てに理解のある職場を作り上げていくことができれば、父親が子育てに参加していく数は自然と多くなると思う。 会社として社員の残業時間を削減し、会社として育児休暇を促進させることが重要になってくる。 そして、上下関係を尊重する日本の文化では、トップに立っている上司たちが引率していく必要性がある。 このような習慣を導入することにより、育児休業をとった父親は、次に育児休暇をお願いする社員に対して理解度が高まる。

社会的にも父親が子育てに参加しやすい環境を作らなくてはいけない。 母親として、父親が積極的に参加することをサポートし、他の父親が子育ての集まり場に入ってきたときには快く受け入れてあげることが重要。 現在では、子育て教育の場はほぼ主婦の集団。 夫婦で参加できる場所を結成するのもいいのではないか。 テレビやネットなどメディアを通して、今の時代は父親が子育てに協力することは 「普通・当たり前」 であることをアピールし、従来の性別分業のイメージを変えていけば、父親でも参加しやすい環境が出来上がると思う。

子供の影響

両親共に子育てをすることにより、子供にもプラスな影響を与えることができる。 まず、父親と母親は性格も違うし考え方も違う。 母親だけ見て育ってきた子供は、母親の考え方や母親の周りにいる人々だけを見て育つ為、学べる知識が限られてしまう。 しかし、父親と一緒に過ごす時間が増えることにより、父親にしか教えられない知恵を学ぶことができ、新たな観点で物事を覚えていく。 父親の友人にも出会う機会が多くなり、視野が広い子供として成長していく。 一緒に子育てに励んでいる両親を見ている子供は、互いに助け合い、互いにサポートする重要さを知る。 片方が困っているときに手助けしている姿を見る子供は、大人になったときに必ず人の為に生きる人間として育つと思う。 楽しく過ごしている時間も、苦労している時期も協力しあいながら共に乗り換えることにより子供は立派な大人として育つと信じている。

夫婦の影響

子育て、特に育児は母親が最もプレッシャーを感じ、精神的にも身体的にも不安定になりやすい。 そんな時期こそ、父親のサポートが不可欠になってくる。 父親が育児に参加することにより、母親が抱える負担を減らし精神的な支えになることができれば、円満な関係を維持することができるのではないか。 実際に育児の手伝いをすることにより、子育ての大変さを肌で感じることができ、互いに分かり合えることが増えてくる。 そして、子育てを通して共通の話題も多くなり、夫婦の関係がさらに友好的になっていくのではないだろうか。 勿論、教育の仕方やしつけなどについて考えが一致しない時もあるだろうが、これも互いのコミュニケーションをより深め、互いのことをさらに分かり合えるチャンスでもあると思う。

父親の影響

仕事と子育ての両立は決して楽なことではないと思う。 英語の表現で表すと 「It’s not going to be easy, but it will be worth it」 やる価値は必ずあるってことだ。 子供は親を見て育ち、親から多くのことを学ぶ。 しかし、父親の 「Worth」 という事は、子供に教えて得るものではなく、逆に子供から学べる教訓のほうが果てしなく大きいものだと信じている。 まず、子育てをすることにより 「人を育てる」 大変さと素晴らしさを実感できる。 子供を育てることにより、自分自身が成長し始め、仕事に関しても柔軟性が高まる。 そして子供だけでなく、今度は新入社員として入社した部下も育てようと気持ちが沸く。 さらに、子育てと仕事を両立することによって仕事以外の喜びや苦労を実感し、人生に対する新しい価値観を見つけ出し、バランスの良い人間として変わっていくのではないか。

現在少子化の問題で頭を悩ませている日本だが、父親が子育てに参加しやすい環境を作っていけば、自然と解決するのではないか。 結局、現代の女性は自分の母親が一人で苦労して子育てをしてきた生活を目にして育った為、家族に対しての魅力がなくなっていると思う。 しかし、父親が子育てに参加することにより、母親の負担が軽減され、子育てが 「辛い」 から 「楽しい」 という気持ちを持てるようになり、子供も一人だけでなく、2人や3人と考えるようになる家庭が増えるのではないだろうか。 父親が子育てにサポートしたい 「意識」 はある。 次のステップは 「行動」 へと変えていくことだ。

    
            
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