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公開日2013.05.10

両親は喧嘩でなく、文化のわかり合いをしていた

現在、アメリカの離婚率は約50%といわれており、ソーシャルネットワーキングが普及している今の時代では離婚している夫婦が上昇しているのが現状だ。 2組に1組は離婚をしてしまう・・・ 恐ろしい統計でもあり、その反面悲しい現実である。 自分の周りにもやはり、離婚している人達は少なくないが幸いなことに仲の良い友達はみんな円満な家族に恵まれている。 僕の両親は今年で結婚30周年を迎えた。 30年間、今の僕には理解に程遠い数字である。 国際結婚をした二人は前回のコラムにも述べたが、家族・親戚・友達からの批判を受けながら多くの障害を克服してきて家族の絆を築き上げてきた。 さらに多くの国際カップルが立ち向かう言語と文化の壁も乗り換えてきた。 今回のコラムでは、両親が 「喧嘩」 したエピソードをいくつか紹介し、それについて僕が気づいたことを語ろう。

High School Dance Party

年に4~5回開かれるダンスパーティーは、男の子が女の子を誘って一緒に参加する、アメリカン高校独特の行事。 正装していくダンスもあれば、カジュアルに参加したり、デートとマッチングの衣装を着ていくテーマもある。 ダンスは通常午後8時から10時まで。 16歳になると車の免許を取得している生徒が多いので、ダンスが終わってから友達とみんなでご飯を食べに行くのがお決まり。 しかし、アメリカの高校生活を経験していない母親にとっては夜の10時過ぎまで高校生が出歩いていることが納得いかなかったようで、門限でもめた。 父親も間に入り、母親にアメリカの高校生活について説明をしてくれた。 この日は、何とか深夜12時までの門限を許されたが、その後、門限についての議論は高校時代ずっと続くものだった。 アメリカの高校生が全員そうだとは言わないが、僕の周りにいた高校の友達のほとんどは門限が夜遅かった。 特に18歳になると、門限の時間がなかった友達が多かった。 アメリカでは法律上、18歳で大人。 高校生であろうが、18歳は大人として扱われるので、親も大人として待遇するようになる。 従って、自由が与えられる。 その反面、自分自身の責任を全部抱え込むように求められる。 僕の父親もそのような考え方を持っていた。 しかし、母親はそう簡単に 「これがアメリカのしきたりだから」 と受け入れられることはできなかった。 結局、僕はまだ学生。学生である限り、親のルールに従うことは当たり前のことだったのだ。

アメリカの高校を経験したことのある人だったら分かることだが、刺青を入れている生徒、イヤリングやボディーピアスまでいれている生徒もいる。 親は反対しないのか? 止めないのか? 勿論、反対する親のほうが圧倒的に多い。 しかし、18歳の誕生日を迎えたその日からは 「大人」、何をしようにも親の許可が必要なくなる。 自分の息子・娘に反対を主張することはできても、実際に止めることはできない。 だから、親として18歳までは子供にしっかり自己責任と価値観を教育し、「大人」 になってからは自分らしい行き方を見つけ出すことを信じて見守っていく姿勢をとっているように思う。 親は子供に二足歩行を教える。 どの道を歩むかは親が決めることではなく、個人として選択するものである。そんな考えた方を持つ父親に母親は当初、やはり納得できなかった。 心配に思う気持ちは当然、日本では18歳の子供にここまでの自由を与えることはないからであろう。

「学生は勉強に集中」 vs 「大人だから自分で金を稼げ」

大学2年目を迎えたときだった。 友達と大学近辺にあるアパートに引っ越すことになった。 大学は授業料と生活費を加えたらかなりの多額になる。 そこで、父親はアパート代を含む生活費を今後自分でバイトをしながら払うように要求してきた。 この提案には、母親は即反対。 学生でいる限り勉強に集中し、教育費は親が出すべきだと主張。 生活費の支払いで両親の考えは別れた。 父親は高校を卒業して以来、仕事をすぐ始め自分自身でお金を稼ぎ始め頑張ってきた。 僕はもう立派な 「大人」、学生だから許容して甘やかすことには反対だった。 母親のバックグラウンドはまさに逆で彼女が学生のときには両親から勉強をすることだけに集中しろといわれていた。 学生のときにかかるお金は両親が払う責任があるという考えをもっていた。 これも、文化の違いなのだろうか? 大学に通っていたアジア系の学生のほどんどがバイトをしていなかった。 一方、アメリカ人の学生はバイトをしている比率が高かった。 やはり、アジア系の両親は教育熱心であり、教育の面ではフルサポートしているように思えた。 結局、生活費は親が半分だすことで話がまとまった。 そして、僕も次第に学校とバイトのバランスが取れるようになり、最終的には生活費を全部自分で負担するようになった。

子供の頃はとにかく親の喧嘩が多かった。 妹と二人で部屋にこもりながら、二人の口論が収まるまで耳を塞ぎながらじっと待っていた。 親が喧嘩をしている姿を目にするのは嫌だったし、何故喧嘩をしていたのかが理解できなかった。 今回のコラムで紹介したエピソードは 「夫婦喧嘩」 と呼べるレベルには程遠いものだが、このエピソードがあったからこそ今まで親が喧嘩していた原因が明らかになったのである。 親は喧嘩ではなく、文化のわかり合いをしていたのだ。 生まれ育った環境がまったく違う二人は、物事に対しての考え方や見方は異なる。 それまで、当たり前だと思っていた子育ての仕方、人生の価値観、問題の対処の仕方、教育方針等がチャレンジされると、当然のこと口論が始まる。 しかし、二人は喧嘩をする中、常に互いを分かり合おうとする努力を続けてきた為、来年結婚29周年目を無事向かえることができるのだと思う。 そして、父親は良いことも悪いことも必ずみんなとコミュニケーションをとるようにしてきた。 それが原因で喧嘩になったことは多かったが、逆に互いを分かり合うことができたのだ。 人とは結局相手に理解してもらうことを求める。 しかし、お互い相違点ばかりに注目をしてしまうと、双方の距離感は遠ざかっていくだけだ。 従って、外国人と接するときは 「日本はこうだ、アメリカはこうだ」 と文化の違いを重視するのではなく、共通点を探っていくほうが親密な関係を築き上げることができると思う。 国も文化も外見もまったく違う人と共通できた瞬間で初めてお互いを分かり合うことができるのだ。

    
            
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